1時間の予想雨量○○ミリってどんなイメージ?

台風情報が伝えられるとき「予想雨量は1時間に多い所で○○ミリ」という表現がよく用いられます。ただ、いったいどんな降り方を想像したらよいのかイメージが湧かない方も多いはず。

例えば1時間に30ミリ以上~50ミリ未満の雨は「激しい雨」と表現されます。天気予報ではバケツをひっくり返したような雨とも表現されます。道路が川のようになるところも出てくるため車の運転に注意が必要です。

1時間に50ミリ以上~80ミリ未満の雨は「非常に激しい雨」と表現されます。傘は全く役に立たず、水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなります。車の運転は危険です。

1時間に80ミリ以上の雨は「猛烈な雨」と表現されます。息苦しくなるような圧迫感があり、恐怖を感じます。災害発生の危険度も高くなるでしょう。

静岡県内では9月2日「猛烈な雨」が観測されました。磐田市で1時間に観測史上最大となる95.5ミリの雨が降り、道路は冠水、乗用車やトラックなどが立ち往生したり、土砂崩れが発生しました。

数年に一度程度しか発生しないような大雨「記録的短時間大雨情報」

短時間で水位が上がり、越水した馬込川(浜北区矢矧橋付近)

また、浜松市浜北で1時間に118ミリ、浜松市南部付近で1時間に約110ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、気象庁からは「記録的短時間大雨情報」が発表されました。

「記録的短時間大雨情報」は、数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨を、観測したり、解析したりしたときに発表されます。

この情報が発表されたときは、お住まいの地域で、土砂災害や浸水害、中小河川の洪水災害の発生につながるような猛烈な雨が降っていることを意味しています。

実際に浜松市を流れる馬込川が矢矧橋付近で越水し、浜松市から避難情報で最も警戒レベルが高い「緊急安全確保」が出されました。

線状降水帯でなくても雨雲が停滞することで大雨に

局地的に活発な雨雲が発生した県西部の雨雲レーダー図

この時は台風11号が沖縄県の近くを北上していて静岡県付近では秋雨前線が停滞していました。

まだ台風が離れていても影響を受けて大雨になることも…

2022年9月2日12時の天気図 気象庁HPより

台風周辺の湿った空気の影響で秋雨前線の活動が活発になり、また西寄りの風と東寄りの風がぶつかった県西部では局地的に活発な雨雲が発生したことで記録的な大雨となりました。

気象庁や国交省、自治体のリアルタイムの情報を活用しよう

気象庁の洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)画面イメージ

大雨が予想されるときは不要不急の外出を避けたり、気象庁のホームページで確認できる「キキクル」を活用したりして、今自分がいる場所のリアルタイムの災害の危険度を知って危険な場所から離れることも大切です。

外に出ることが危険な場合は家の中の崖から離れた2階以上の部屋に移動するなど、身の安全を確保してください。

また、線状降水帯が発生すると大雨災害の危険度が急激に高まる可能性があります。線状降水帯とは、非常に激しい雨が同じ場所で降り続く危険な状況のことを言います。気象庁からは、線状降水帯による大雨の可能性がある程度高いことが予想された場合に、半日程度前から、呼びかけが行われます。大雨災害に対する危機感を早めに持つことが大切です。

気象情報や避難情報をこまめに確認しましょう。