兵庫県の斎藤知事をめぐり、PR会社の社長が知事選の「広報全般を任された」などとSNS上に投稿し、公職選挙法違反を指摘する声が相次いでいます。斎藤知事はきょう、「違反するような事実はない」と繰り返し、否定しました。
今月17日に投開票された兵庫県知事選で、110万票あまりを獲得して返り咲きを果たした斎藤元彦知事(47)。
当初、劣勢が報じられていた中で逆転劇を生んだ要因の一つとされるのが、SNS上で広がりを見せた斎藤知事を応援する数多の投稿です。もともとはSNSが「苦手だった」という斎藤知事ですが…
兵庫県 斎藤元彦 知事(今月16日)
「SNSの力はすごいなと思いました。悪い面もあるけど良い面もある。会ったこともない人が『頑張れ』『負けないで』すごく応援してくれる」
しかし、そのSNSをめぐってネット上に投稿されたあるコラムの内容が、公職選挙法違反に抵触するのではないかと大きな波紋が広がっています。
「とある日、オフィスに現れたのは、斎藤元彦さん。それが全ての始まりでした」
コラムを投稿したのは、兵庫県内のPR会社で社長を務める女性で、選挙運動で広報全般を任されていたといいます。
「私が監修者として運用戦略立案、アカウントの立ち上げ、プロフィール作成、コンテンツ企画、文章フォーマット設計…。責任を持って行い、協力しながら運用していました」
コラムには、自らが手がけたとする斎藤知事陣営のSNS戦略の一端が赤裸々に綴られ、ハッシュタグを考案して、X上でトレンド入りさせたことなどが成果として掲載されていました。
一方、総務省によると、選挙運動でSNSの運用を含む企画立案を主体的に行う企業に報酬を支払った場合は、公職選挙法が禁じる買収に当たる可能性があるとしています。刑法に詳しい専門家は…
近畿大学法学部 辻本典央 教授
「選挙運動活動は人に頼んでやってもらう時には無償で行うのが大原則です。もし金銭の支払いを伴うものだとすると、公職選挙法に違反するという可能性がある」
違法性を指摘する声が上がる中、斎藤知事の代理人弁護士がけさ、JNNの取材に応じ、ポスターデザイン制作費など5つの名目でPR会社に対して70万円あまりを支払ったことを認めました。
そのうえで「主体的な企画立案にあたるのかは疑義がある」などとして、公職選挙法が禁じる買収にはあたらないとの認識を示しました。
一方、コラムを投稿したPR会社の社長はこれまで取材に応じていません。
突如「身内」から噴出した新たな問題に、きょう、全国知事会に出席していた斎藤知事本人は…
兵庫県 斎藤元彦 知事
「公職選挙法違反になるような事はないと認識しています。SNSの運用についてはあくまでも斎藤、そして斎藤事務所が主体的にやっていたと。(PR会社は)ボランティアとして個人で参加されたというふうに認識しています」
PR会社には、あくまでポスターなどの制作費だけを支払ったと述べました。
兵庫県 斎藤元彦 知事
「(Q.[PR会社は]無償で1か月やってきた?)繰り返しになりますが、公職選挙法に違反するような事実はない。(Q.[PR会社社長と]どういう話をした?)県民の皆様に心配をおかけしているということは改めて申し訳ないと思いますけども、私どもとしては公職選挙法に抵触するような事実はないと」
公職選挙法違反にはあたらないと繰り返し、指摘について強く否定しました。
こうした中、きょう兵庫県議会では斎藤知事のパワハラ疑惑などを調査する百条委員会が開かれ、県の元財務部長への証人尋問が行われました。
百条委員会の奥谷委員長は、年内にも斎藤知事本人への証人尋問を行いたいとしたうえで、今年度中に調査報告書をまとめる方針を明らかにしました。
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