▼奈良大会 「天理」VS「御所実」
奈良大会決勝は、3連覇を狙う天理と今年度は単独チームで参加した国民スポーツ大会でも優勝を飾るなど春先から力を発揮している御所実の対戦。30年連続のライバル対決となりました。
注目の一戦は、試合開始から両チームの激しい闘志がぶつかり合います。大型FWを前面にチカラで突破を試みる御所実に対して、天理は低く鋭い足下に突き刺さるタックルで対抗。チャンスには思い切ってボールをつないで攻めこみます。そして開始6分、天理はFB山崎祥永選手がPGに成功。3点をリードします。さらに11分、御所実の反則を生かして敵陣深くまで攻め込むと、ここ数年御所実に対抗するために強化してきたという得意のモール攻撃から、最後はキャプテンの内田旬選手がトライ。「この試合でようやくベストメンバーがそろった」という天理、この後さらにPGを加えて13対0。18分に御所実にPGで3点を返されますが、狙いどおりのゲーム運びで前半を13対3と10点のリードで折り返します。
サイドの変わった後半、この1年間作り上げてきたFW陣の強さ、高さを生かして懸命に反撃を試みる御所実。しかし、天理の鋭い出足と規律のとれたディフェンスの前になかなか有効な攻撃につなげることができません。それでも天理に決定機を作らせずに10点差のまま試合は終盤を迎えます。
逆に天理は22分、後半は崩せなかった御所実の壁をついに打ち破ります。天理らしい細かいパスワークで素早く左に展開すると、最後はFL平岩悠三選手がタックルを振り切って左隅にトライ。ゴールも決めて20対3として、勝負を決定づけました。御所実も27分、意地のトライで7点を返しますが、反撃もここまで。今年度も激闘となった奈良県大会決勝は、20対10でライバル御所実を振り切った天理が伝統校の底力を見せつけて3年連続66回目の花園出場を決めました。