ロシアのプーチン大統領が最新の中距離弾道ミサイルをウクライナに発射したと明らかにしました。攻撃の狙いは何だったのか?ロシアは欧米に対し、ある期待を込めていたようです。専門家に聞きました。
ロシア プーチン大統領
「ロシアへの攻撃をエスカレートさせた場合は、われわれは同様に断固として対応する」
プーチン大統領は21日、緊急のビデオ声明を出し、ウクライナに対し最新の中距離弾道ミサイル「オレシュニク」で攻撃を行ったと明らかにしました。「オレシュニク」は既存のミサイル防衛システムでは迎撃ができないマッハ10で飛行するミサイルとしています。
ロシアはなぜ今回の攻撃に出たのでしょうか?専門家は…
東大先端科学技術研究センター 小泉悠 准教授
「政治的な意味を持った何らかのメッセージだったんだろうと思います」
政治的意味とは何だったのか?
アメリカがロシア領内への攻撃を許可した射程の長いミサイル「ATACMS」。
19日、ロシア国防省はウクライナ軍が「ATACMS」でロシア西部を攻撃したと発表。
さらに、20日にはウクライナ軍がイギリス製の長距離巡航ミサイル「ストームシャドー」を使って、ロシア領内に向けて発射したと報じられました。
プーチン氏は今回のミサイル攻撃の理由について、これらへの報復だとしたのです。そのうえで、欧米が攻撃を容認したことで「ウクライナ紛争はグローバルなものとなった」と指摘。武器の使用を許した国の軍事施設も攻撃対象になりうると、欧米に対して警告しました。
ロシアの報復の引き金とされたアメリカによる「ATACMS」の使用許可。バイデン政権はそもそも、なぜその判断をしたのでしょうか。専門家は…
東大先端科学技術研究センター 小泉悠 准教授
「ウクライナからも言われるし、ヨーロッパの国々からも突き上げられるし。しょうがないなと思って許可を出したら、こうだったわけで」
一方のロシア側にとっては、ミサイル攻撃をすることでアメリカにこんな期待をかけたといいます。
東大先端科学技術研究センター 小泉悠准教授
「ロシアが強く期待しているのは、バイデン政権はこれまで非常に慎重だったので、ウクライナにミサイル使用許可なんて危ないと言い出してくれることを狙っているだろう。もっと言うと、もう年明けには政権が変わるわけなので、トランプ新政権がウクライナ支援なんてやめておこうと思ってくれるような効果を期待している」
ウクライナが欧米の武器を使い続けると、ロシアは次にどうでるのか。アメリカの対応が試されているようです。
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