■「定義山」はなかった!
実は「定義山」の「さん」を山と書くのは間違いなんです!住職はこう話します。

大江田紘義住職:
「確かにここは山にあるのですが、これは中村さんとか佐藤さんのような、親しみを込めて『定義さん』と呼んだのが最初だといわれていて、定義山という山自体はない。正式にはひらがなでさんと書いてもらえると、お寺としては本当の意味でありがたい」



西方寺は、およそ800年前、壇ノ浦の戦いに敗れた平家の一族・平貞能が身を隠した場所です。そのときに、読み方は同じですが、名前を別の漢字で定義(さだよし)と改めたことが定義(じょうぎ)と呼ばれるようになった由縁とされています。つまり、定義とはもとを辿れば平貞能(さだよし)のことで、「定義山」という「山」は存在していません。西方寺が山あいにあるため、山の名前と間違えられやすいのですが、敬称として平仮名で「さん」と書くのが正しいということになります。

