衝撃の被告人質問、JUNへの妄信動機とは…
被告人質問で直哉被告は、常人には理解できないような発言を連発した。
「幼いころから霊感があり、直接会ったこともない『霊媒師JUN』に心酔。指示を受けたわけではないものの、LINEでやり取りをする中で、隆一さん殺害を決意した」これが直哉被告の主張だ。
法廷での言葉を信じるなら、直哉被告に隆一さんへの恨みはなく、金目当ての犯行でもない。ただ、「敦子被告が呪いで死んでしまう」と考え、2人の命を天秤にかけた結果、隆一さんを殺害したというのだ。
普通の感覚であれば到底信じられない話だが、直哉被告の顔は真剣そのもの、語り口も淡々としていて真実を語っているようでもあった。その一方、敦子被告は終始直哉被告をじっと見つめ、信じられないものを見るような表情を浮かべていたのが印象的だった。
なお、この翌日は、直哉被告の精神鑑定を行った精神科医が出廷した。
鑑定の結果は、「思い込みが強く、認識に偏りはあるものの、明確に診断できる精神障害はない」というものだった。