じりじりと下がり続ける円安の動き。それは私たちに、何を問いかけているのでしょうか?

■魚が買えない?買い負けの現状

生鮮市場 鮮魚担当者
「マグロはちょっと見通しが立たない。価格も上がってきている。完全に買い負けしている…」

原因は、急激な「円安」による価格高騰。中国を中心とする海外業者に「買い負け」し、魚介類の仕入れが減っているのです。



消費者
「スーパーから魚がなくなることは想定外ですよね。日本国民としては悲しいねぇ」

■止まらない円安 為替介入は?

いまや円安の流れは止まる気配がありません。9月14日には、一時1ドル=145円間近に迫るなど、24年ぶりの円安水準。こうした状況に、鈴木財務大臣は…



鈴木財務相
「あらゆる手段を排除することなしに、やるべきことをやる」

--「介入」は含まれるか?
鈴木財務相
「あらゆる手段であり、そう考えていい」

「為替介入」について初めて言及。今回は、円安抑制のため、政府が持つ大量のドルを売って円を買おうというものです。

しかし、為替介入は、アメリカと同時に行う「協調介入」がないと効果は限定的とされ、今のところ、アメリカにその姿勢は見られません。

■ガソリン価格が200円超?続く値上げラッシュ

こうした記録的円安に加え、ウクライナ問題によるエネルギーや食糧価格の高騰が、日本経済を直撃しています。

現在、政府により輸入小麦の価格は据え置かれていますが、食料品から、電気、ガスなど様々なものの値段が上がり、今後も上昇が懸念されます。

ガソリン価格も、現在1リットル当たり上限35円の補助金が年末までとされているため、年明けには1リットル200円を超えるとも予想されます。

主婦
「何を手に取っても去年とかよりは高いし、去年より安いものってあるのかなって」
「給料はなかなか上がらないし、出ていくものばかり上がってる」



片や日本の平均賃金はこの30年間ほとんど上がっていません。欧米との差は開き、韓国にも抜かれる状況で、家計の負担は日増しに高まりつつあります。

また円安で原材料費などが高騰。商品価格に転嫁することができない中小企業の「円安倒産」も増え始めています。

帝国データバンクの調査員
「(円安)倒産は景気の事象にちょっと遅れて発生するものなので、徐々に増えていく可能性がある」