物流や運送業界のいわゆる「2024年問題」の克服に向けて、長野県などが12日、業務の効率化に取り組む企業を視察しました。

物流が停滞する恐れがある2024年問題。

今年4月から、時間外労働の上限規制がトラックの運転手にも適用されたことで、長距離の輸送などが困難になり、人手不足などの問題が深刻化するとされています。

この問題に対応するため、県やトラック協会などが作る連絡会は、業務効率化に取り組む企業への視察を重ねています。


諏訪梱包運輸 平井研さん:
「商品の下にプラスチックのシートがございます」

この日視察が行われた上田市の運送業者が、今年2月に取り入れたのがシートパレットです。

荷物を載せるための台を、薄いプラスチック製のシートに替えました。


これまでトラックから荷物を下ろす際には、運転手が1ケースずつ手作業で行う必要がありましたが、シートパレットを使うことで、フォークリフトで一気に大量の荷下ろしができ、作業時間を3分の1に削減できたといいます。

こちらの業者ではほかに、AIを活用した自動配車システムを導入して業務の効率化を進めていますが、人材不足の解消には運送業務を発注する荷主の理解が欠かせないと話します。

諏訪梱包運輸 浅川健司社長:
「社会が2024年問題に着目していただけるようになったので、料金改定を荷主さんに交渉しても今までよりも理解を得られると。まずは我々も効率化しますけど、荷主さんに(運送業の)原資となる運賃を上げていただくというところの理解を得ていくというのが一番大事な部分だと思いますけど」

県では今後も視察を重ね、連絡会などで情報共有を行い、先行事例を周知していきたいとしています。