個々の奥に眠っていた思い出引き出す、「被災者の心の支援に」

いけちかさん
「道や解体なんかは目に見えて復興を感じるけれど、人の心は計り知れない。何をするにしても本人の心が立ち直らないと、本当の意味での復興にはならないと思っている」

心の支援を念頭に企画を運営してくださった、いけちかさんの思いに励まされるように、たくさんのメッセージが集まったのだと思います。

八伸化成 寺谷伸吾さん
「弊社商品が少しでも、会話のネタであったり懐かしい話の種になるなど、被災地の能登の皆さんの役に立てれば、本当にうれしいです。また、県外から能登を思う皆様からも能登への応援メッセージを頂いたり、グッズ到着の喜びの声を聞いて励みになりました。本当にこの企画を始めてよかったと思っています。これからも能登と石川県の復興に、微力ながら携わっていきたいと考えています」

こうした想いからの企画だからこそ、口コミで多くの方に伝わり、現地での協力や応援をしてくださる方との繋がりが広がっていったのだと感じています。

能登のバスは、国道249号の大規模崩落もあり、かつてのルートを通ることができません。

使えるバス停も限られており、私の高校時代の思い出である、あの美しい海岸線を通っての通学も一部区間の通行止めが続いています。

大規模崩落した国道249号線(輪島市町野町・1月撮影)

それでも、復旧・復興に携わるたくさんの方々のご尽力が日々続いています。
被災された方々が、思い出を支えに少しでも前を向くきっかけが出来たらと願うばかりです。

※注 今回紹介した能登バス企画は、すでに終了しております

藤本透
シナリオライター。人気ゲーム「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル2」のゲームシナリオを手掛けるほか、石川県を舞台に描かれたアニメ「花咲くいろは」の小説版を執筆。石川県輪島市町野町出身で、2024年1月1日の能登半島地震発生以降、SNSを通じてふるさとの情報をきめ細かく発信している。