「『被害者のため』望んだ極刑、判決にも涙」
「被告人は実行役のリーダー格であり、果たした役割は重大。報酬目当ての犯行動機は身勝手で酌むべき点はない」
10月24日の論告で、検察側は無期懲役を求刑。証言台に立った被告は、こう訴えた。
「(罪を)極刑でないと償うことができない。極刑を強く望みます。私が責任を果たせるのは無期懲役ではなく死刑です。私の意思でやりました」
その声は震え、次第に大きくなっていく。語気を強め、目の前にいる裁判員達に涙ながらに求めた。
「この裁判は裁判員裁判です。被害者の処罰感情が反映されます。私に一切の情状酌量はいらないです。被害者、遺族のことのみ考えてください。極刑を下してください」

そして迎えた、11月7日の判決。
一礼して法廷に入った永田被告。いつもと変わらない上下スウェット姿で、落ち着いた様子だった。裁判長から証言台の前に立つように言われた被告は、ゆっくりと席を立った。
「主文、被告人を無期懲役の刑に処する」
判決は、永田被告が「致命的な暴行を自ら行い、主導した」とした上で、「実行役の中でも被告人の責任が際立って重い」と指摘、「指示役の指示に従っていただけでなく、自らの判断で他の実行役を指揮していた」とした。
永田被告は裁判長をじっと見ていた。判決内容が読み進められるなか、時折、ポケットから小さなタオルを取り出して、目にあてた。
裁判長は最後に、こう語りかけた。
「謝罪の気持ちがあるのであれば罪の深さを考え、償いは何ができるのかずっと考え続けてほしいと思います」
黙って聞いていた被告の目には、涙が浮かんでいた。