気象予報士の高安奈緒子です。今年の4月から気象キャスターとしてテレビに出演しています。この度、念願のコラムを書かせていただくこととなりました。
「親しみやすい家族のような気象キャスター」を目指して、これから色々なことに挑戦していきたい!と意気込みつつ、日々あれこれ悩んだり考えたりしています。コラムでは、そんな私が普段考えていることの中から、天気や季節にまつわることを綴ります。気軽な気持ちでお読みくださいませ。
■いよいよ秋到来!楽しみは“実りの秋”だけでなく…?
さて、朝晩は涼しい日が増え、秋らしさを感じられるようになってきましたね。私は、秋生まれということもあり、秋が一番好きな季節です。過ごしやすい日が多いですし、さつまいもやぶどう、きのこやさんまといった秋の味覚は最高です。
そして、今年の秋はさらに楽しみなことがあります。友人の結婚式にお呼ばれしているのです。それも3回も!私、結婚式に参列するのが大好きなんですよね。幸せ溢れる空間で新たな門出に立ち会い、美味しいものをいただきながら懐かしい友人と談笑する。すごく好きな時間です。ということで、とても楽しみにしているのですが、結婚式って秋にされる方がとても多いですよね。やはり、なんといっても、気候が良いからということなんでしょう。
ただ実は・・・東京では、秋ってとても雨が多い季節なんです。ご存じでしたか?
■降水量が最も多いのは・・・10月! どうして”秋は雨が多い”?

秋といえば、高い空にうろこ雲や刷毛で描いたような雲、爽やかな風が吹き、心地よい季節。でも、今年はなんだか雲が多くて、雨が降る日が多いなあ、と感じていませんか?
実は秋というのは、秋雨前線や台風の影響で、雨の量が多い季節なんです。意外に思われるかもしれませんが、東京の平年の降水量が一番多い月は10月、次いで9月です。「梅雨」の時季にあたる6月や7月より多いなんて驚きですよね。
もちろん場所によって違いがありますし、雨の「量」が多いということが、必ずしも雨の「日」が多いというわけではありません。たまにザーッと激しい雨が降ることがあった月と、ダラダラ雨が降り続いた月だと、前者の方が降水量が多くなることがあるからです。
とは言っても、東京などの太平洋側では、9月と10月は雨が多い月であることは間違い無いでしょう。ここ数年は特に、秋の大雨が増えています。10月に入ってから、台風が本州に上陸し、甚大な被害をもたらしていることも少なくないのです。