20年で半分まで減少 テレビにおける選挙報道の変化

テレビにおける選挙報道は、どう変化していったのか。
小泉純一郎 総理(当時)
「私の方から自民党をぶち壊しますから」
2005年のいわゆる“郵政解散選挙”。劇場型政治を行い、メディア戦略に長けていた小泉純一郎元総理。
郵政民営化法の採決の日には、4時間もの特番が生放送された。

そして、公示日の8月30日夜に放送された「筑紫哲也NEWS23」では、選挙に行こうと呼びかけ、小泉氏が国会議事堂を破壊するアニメーションから始まる。
小泉氏の人気ぶりが取り上げられ、「コイズミ的?非コイズミ的?」と題された街頭インタビューを行うシリーズ企画が連日放送された。

街の人(当時)
「国を背負う人間として、(郵政民営化を)死んででもやると言ったあの一言は、僕はかっこいいなと思いますけどね」
街の人(当時)
「嫌いだよ。威張りすぎじゃないの?自分の好きなことしか言ってないでしょ」
公示日翌日のNHKと民放5社のテレビの選挙報道を記録・分析したデータ会社「エム・データ」によると、2005年の郵政解散選挙のときは、各局あわせて9時間16分7秒放送された。
メディアコンサルタントの境治氏は、選挙報道の変化をこう指摘する。

メディアコンサルタント 境治氏
「小泉さんのときなんか盛り上がりすぎだったかもしれないけど、別に選挙を盛り上げるのは全然悪いことじゃない。2010年代に入ったら(テレビの選挙報道は)選挙公示日を迎えたらもう割とハッキリね。最初に党首が何を演説したかというのは伝えるけど、それぐらいですよね」
消えた年金問題に格差の拡大。次々に変わる総理。支持率は1割台にまで下落した。

民主党へ政権が変わった2009年の選挙での放送時間は、5時間36分12秒。
その後、自民党が政権を取り返した2012年の選挙では、4時間58分29秒だった。
そして今回は、4時間31分59秒。20年で半分にまで減少した。














