佐久市で2015年、男子中学生が車にはねられて死亡した事故の刑事裁判について、最高裁が検察・被告双方の意見を聞く弁論を開くことを決めました。
被告に無罪を言い渡した2審判決が見直される可能性があり、遺族が胸の内を語りました。

和田樹生さんの母・真理さん:
「最高裁で弁論が開かれる日を待っていたので、期日が決まったということを聞いて安堵しました」
2審の無罪判決から1年。
遺族は取材に対し、まずはほっとしたと語りました。
この事故は2015年、佐久市で当時中学3年生だった和田樹生(みきお)さんが、自宅の前で車にはねられ死亡したものです。
運転していた被告は、過失運転致死の罪で執行猶予付きの有罪判決が確定した後、ひき逃げの罪で在宅起訴されました。
1審の長野地裁は、被告が飲酒を隠すため和田さんを救護する前にコンビニで口臭防止剤を買っていたなどとして、懲役6か月の実刑判決を言い渡しました。
しかし、2審の東京高裁は事故直後に車を停めて和田さんを探していたことや、コンビニから戻った後に人工呼吸していたことなどをあげて「救護義務の意思は一貫して保持していた」として無罪を言い渡し、検察側が上告していました。
これを受け最高裁は30日、検察側と被告側の双方の意見を聞く弁論を開くことを決めました。
被告に無罪を言い渡した2審判決が見直される可能性があります。

和田樹生さんの母・真理さん:
「検察の方から連絡を受けるまで1年間とても長かったんですけど、私たちのような樹生のような思いをする被害者が一人でも減ってほしいという思いでやってきたので、今後も樹生に裁判の行方を見守ってほしい」
「もし事故を起こしてしまったら人として取らなければいけない当たり前の行動、それをしっかりと最高裁で示してもらいたい」
最高裁による弁論は、12月13日に行われます。














