三線組合の新垣恵(あらかき・めぐみ)さん。オンラインの三線教室を開いています。

沖縄県三線製作事業協同組合 新垣恵さん
「個人レッスンそしてまた、なかなか外に出るっていうのが厳しい時でもあったので、あのお家で何か楽しめることっていうことでオンラインレッスンを始めました」
このオンラインレッスンを始めて2年余りで、日本だけでなくブラジルなど様々な国に広がりを見せています。
沖縄県三線製作事業協同組合 新垣恵さん
「いままではリアルの人しか一緒にお稽古できなかったのが、本当にもう地球丸ごとっていうか、今までだったらそういうのは無理だったのがオンラインだったらできるっていうのは」
(オンラインでの指導の様子)
三線組合 新垣さん
「指がちょっとずれていくので、最初の音のところでしっかりその音のところで、おさえてあげてください」
新垣さんの指導を受けているのは、広島県に住む佐藤貴子(さとう・たかこ)さんです。
三線組合のオンライン教室を利用して1年余りです。

受講生 佐藤貴子(さとう・たかこ)さん
「もう沖縄がめちゃくちゃ好きで、旅行に行く際(行った際)に(三線の音)耳にしてて、まあいつか楽器を習うことができれば、絶対三線っていうのはあったんですよ。それがオンラインで簡単に、沖縄の先生とつながって、練習できるっていうのはもう本当すごいことですよね」
楽器の演奏経験はないところからはじめ、三線を弾くことが楽しいと話す佐藤さん。
オンラインで苦労したこともあるそうで…
受講生 佐藤さん
「ただちょっと弦が切れたりとか、そういうところでまったく楽器をしたことがない
私にとっては、もうどうやって弦をはったらいいのかとかメンテナンスする場所もなくって」
「先生にすぐ伝えて、そういうはり方のYouTubeとか送っていただいて、それを見ながらもうひとりで直しました」
講師側にとってもオンラインと対面での指導には差があるようで…

三線組合 新垣さん
「使ってるそういうソフトが、ちょっとした時差があったりすると一緒に弾けないっていうことがあったり」
だからこそ、オンラインの特性を存分に生かしたレッスンを心掛けているといいます。
三線組合 新垣さん
「今画面がカメラに向かってちょっとアップにしてみたりとか、右手のバチさばきとか、左手とか、それぞれアップしたりとか、全体的な持ち方っていうのも気になるので、ちょっとバックして弾いてみたりとか、このオンラインの場合は録画ができるので、録画を見てまた自主練でちょっと勉強してもらうっていう」
これまで対面での体験が多かった“紅型”もオンラインでの新しい形を模索しています。
知念紅型研究所の知念冬馬(ちねん とうま)さん。今年7月、オンライン講座を提供するサイトとタッグを組みました。

サイトで登録した人には、筆や染料が入ったキットが送られてきます。紅型の製作手順などを学ぶことができる有料の動画を見ながら染色を学ぶことができます。
講師を務めた職人の上江田美希(うえだ みき)さんは日頃は、呉服を黙々と作ることが多く、顔の見えない相手に教えることは大変だったと話します。
知念紅型研究所 上江田さん
「筆の持ち方、色の付け方、こする回数とか強さ、そういった部分をきちんと伝えるようにしました」
動画を見るだけでわかるよう、画角や説明などを考え、1年ほどかけて完成したオンライン向けの動画したところ、研究所にも思わぬメリットがあったといいます。


知念紅型研究所 知念さん
「動画で学習ができるっていうのは、一回そこで撮影しておけば、職人たちもそこで新たに学びたい人たちに動画で教えることもできるし、自分たち自身は、本来のモノづくりに集中することができる」
コロナ禍で、もっとたくさんの人に沖縄の伝統文化を楽しんでもらえるように。
取り組みは続きます。