アメリカ大統領選の情勢。激戦7州では、トランプ氏が1ポイントほどリードしている中で11月5日に投開票となる。そんな中、株価はどうなるのか。どう投資していくべきか。

――きょうのテーマは「日米選挙で揺れる株価 どう投資していけばいいのか」。

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
こういう支持率を市場も織り込みに行ってアメリカの金利上昇が起きている。背景には治安の悪化、移民問題が影響しているのではないか。ロサンゼルス出身の人に会ったが「ものすごい治安が悪くなっている」という。

例えば、サンフランシスコあたりでも、車をほんの数十分止めておくだけで車上荒らしに遭う。みんな悪者というわけではないが、移民が犯罪を犯すケースが多いらしい。一部そういう人がいる。中南米で犯罪を犯したような人が不法移民として入国させて、その移民に、毎月何十万か配って、それなりの生活できてしまう。アメリカの低所得層や貧困層とかよりもよほどいい生活してると。日本でも一部そんなエリアが出てきたりしている。そういうことがもっと大規模に行われていて、アメリカ人にしてみれば「ふざけるな」ということが最近起きている。

だから、その人もアメリカに一時帰国したときにトランプに投票してきたと言っていた。カリフォルニア州なんて歴史的に民主党がすごい強い州。彼が言うには「場合によっては今回カリフォルニア州で共和党優勢」という話も絶対にないとは言えないと言っていてびっくりした。ニューヨークもかなり治安が悪くなっているらしい。そういうところがこういう数字にも表れているのだろう。

激戦州の話も最近になると7州全部トランプ氏優勢という調査もある。一番肝心なのがペンシルベニア。ペンシルべニアは2人の支持率も0.数ポイント差ぐらい。ある人が言っていたのが「ペンシルベニア州の有権者のうち、まだ5~6%は投票先を決めてない。支持率の差は数ポイントだから、結局56%の浮動票がどちらに流れるかで結果が決まる」と。最終的な大統領選挙にも大きく影響するという話だから決め打ちできない。フタを開けてみないとわからない。

――トランプ氏が大統領に返り咲いた場合の市場への影響は?

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
端的に言うと、株もドルも少し上がると思う。やはりトランプ氏はビジネスマン。アメリカを強くするんだと減税を公約にしているし、財政拡張派。少し株価上がるし、米ドルもちょっと上がると思う。

ただ、8年前、2016年のときって、トランプさんが当選となったらその日の夜からワーッと株価上がった。あんなに勢いよく上がることは想定していない。トランプ氏がもし今回当選したとしても8年前ほどのサプライズではない。それから8年前は大型減税を導入した。今回は過去に導入した大型減税の恒久化。やはりインパクトは8年前ほどは大きくないと思う。市場も既にある程度織り込んでいる。

――当選を見込んでエネルギー株やビットコインなどが上がっている。

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
ただ来週の市場。まずは衆院選の結果次第で大きく上がることもあるし下がることもある。衆議院選挙のほかにもアメリカの経済指標や主要企業の決算が目白押し。

例えば経済指標でいうと週末に雇用統計がある。ここ2か月ほど失業率が少し下がって、マーケットもほっと一安心。FRBもほっと一安心という感じだが、今回ハリケーンの影響があるので、雇用者数の伸びが鈍化するとか、場合によっては失業率が、見かけ上、上がる可能性もある。来週の週末にかけてざわつくかもしれない。

その前に主要企業の決算として例えばGoogleの親会社アルファベット、マイクロソフト、インテル、アマゾンとナスダック指数やS&P500にも大きく影響する企業の決算が出てくるので、来週は慌ただしい。