「空き家」を買い取ったのは

第2回公判当時保釈され、両親とともに関東で暮らしていた男。この公判の中で、検察官は初めて、男が軽度の知的障がいを抱えていることを明らかにした。以下は証人に立った被告の父親の証言だ。

【被告父親の証人尋問】
弁護士:
「諫早の空き家に侵入して1泊、大村の空き家で約1か月暮らした被告の行為について、どう思いましたか」

父親:
「初めて聞いた時は信じられなかった。被害者に心配と迷惑をかけた。親としての責任も非常に大きい」

弁護士:
「大村の空き家の管理者との示談はどうなっていますか」

父親:
「妻とともに直接管理会社へ謝罪した。被告が保釈されてから再度3人で謝罪へ。不審者が侵入した事実で『家の価値が下がった』と言われ、事件前の売値で買い取った」

弁護士:
「諫早の空き家の持ち主の女性との示談は」

父親:
「カギの被害など弁償したいと考え、警察などにも協力してもらっているが『連絡しないでほしい』と断られ、進んでいない」

弁護士:
「親として被告を監督する予定は」

父親:
「していくつもり。まずは職に就くため、障がい者就労支援センターなどに行かせる。今後は自分の方が先に死ぬだろうから、第3者による監督にも頼らないといけない。その中で本人の自立の道を探っていく。仕事をしながら償いを終わらせてほしい。保釈後の現在、アルバイトを始めて1か月ほど経った」