■ 広告費ゼロで集客できる秘密とは

客がいっぱい来る青果店にしたいと、10人の従業員と日々励んでいます。その中には、津山社長の娘さんの姿も。

津山紗理奈さん
「今インスタグラムに投稿しています。広告?1人でも来てくれたらなって」

そう紗里奈さんは店の広報担当。作業の合間に特売情報や津山社長のオススメ商品をSNSに投稿しています。

津山社長
「チラシに5万、10万かかるぐらいなら、お客さんに原価に近い販売とかした方がいい」

無料で気軽に利用できるSNSで津山商店の宣伝費はゼロ。チラシ広告はしていません。

さらにお得な値段にするための戦略は他にも…熊本市の台所・田崎市場のセリが始まる15分前。案内をしてもらったのは、場内にある津山商店専用の冷蔵庫。中を見るとすでに商品の箱が積まれています。なぜセリの前に大量の商品があるのでしょうか?

津山社長
「前の日にほとんど注文して仕入れていて、今日はセリで買うものがないんですよ。全部前の日注文で」

津山商店の戦略は仕入れにあります。市場に何がどれだけ入るのかを人脈と経験で事前に察知した津山社長は、卸売会社と前日に交渉。ここで商品をより安く大量に仕入れます。

翌朝のセリで、めぼしい商品がなければセリ落としません。商品単価をおさえられる取引が最優先なのです。そのため、仕入れはいつも大量!この市場内ある専用冷蔵庫の存在は大きいのです。

しかも、店舗と専用冷蔵庫の距離は車で 5分程。「新鮮な商品を常に売り場へ!」と 1日に何度も市場と店を往復します。

津山社長
「この冷蔵庫で稼がせてもらっています」

市場から戻る頃にはすでに開店の時間。すぐに売り場へ商品を出していきます。

常連客
「ここのいいところはみんなが親切。買い物がちっとでん(=ちょっとでも)ここに荷物を持って来てくれる。ありがたい。しっかり映しといて」

夕方になると徐々に空のケースが目立つように…そして午後7時、津山商店の1日は終わります。

津山社長
「同じものを同じ値段で売ると楽じゃないですか。値付けとかも。でもそういう風にしないように自分に喝を入れて、お客さんが毎日来てもやっぱりここに来た方がいいなって言ってくれる八百屋さんでありたい」