凛とした袴姿で弓を引き、狙いを定め、放つ。
日本古来の武道、弓道。

きょう紹介するのは、福島工業高校「弓道部」です。

放課後になると、福島市森合の弓道場で活動しています。

創部およそ50年の歴史を持ち、部員は男女合わせて32人。
切磋琢磨して稽古に励んでいます。

細川さん
「高校3年間で何か熱中したいと思い弓道部に入りました。」

佐藤さん
「小学生の頃から憧れていて、高校の部活動紹介の時に先輩方が弓をひく姿を見て、かっこいいなと思って憧れて入部しました。」

浅野さん
「高校に入ってから新しい物を始めたいと思い、弓道部が一番楽しそうだと思い入部しました。」

部員の殆どが高校から弓道を始めていますが、男子団体は今年のインターハイに
県代表として出場。優勝候補の鳥取県代表・倉吉西高校と対戦し、延長戦の末惜しくも敗れました。

現在は月末に迫る新人戦に向け、的に向かってひたすら矢を射る「行射」に励んでいます。

弓道は、28メートル先にある直径36センチの的を狙い、1人4本矢を放ち、的に当たった本数で競います。

一年生の浅野選手は、弓道の難しさをこう話します。

浅野さん
「的を狙ったり、射法をしっかりやるとこが難しいです。覚えるまで2ヶ月とか、3ヶ月くらい練習していました。」

弓道には「射法八節」と呼ばれる、重要な基本動作があります。

足を開き正しい姿勢を作る「足踏み」。

上半身の姿勢を整える「胴作り」。

弓矢を構えて的を見たら「弓構え」。

静かに弓をあげていき「打ち起こし」。

弓を左右均等に引き分ける「引き分け」。

そして「会」で発射のタイミングが熟すのを待ちます。

矢を放つ「離れ」から、

「残心」で状態を保ちます。

これら8つの動作を、正確かつ滑らかに行うことで、弓を射ることができるのです。しかし、的に的中させるのはそう簡単ではありません。
部長の細川選手は稽古を重ね、感じたことがあります。

細川さん
「弓道って技術もすごい大事なんですけど、技術だけじゃなく精神面もすごい大事な競技で、気持ちが揺らいでいたり気分が落ち込んでたりすると、全然的に当たらなくなったりするのが多くなる、気持ちのコントロールが難しいところです。」

弓道で重要なのは「精神力」。
自分と向きあい、平常心で矢を射ることが何より大切です。

佐藤さん
「弓道は毎回同じことをするのですけど、その中でも(矢が)当たる日と当たらない日があって、でも特別何か出来るわけでも無い。自分にいつもの決まった『射』をコツコツと同じことをするだけなんですけど。その時こそ自分の射と向き合って集中できるので、自分にとってプラスな時期だと思ってます。」

日が落ちても、矢を放つ音が辺りに響いていました。

浅野さん
「勉強と部活、文武両道して弓道でいい成績を残せるようにしていきたいです。」

佐藤さん
「弓道とは、自分で自分の『道』を創っていって、そこへ向かって頑張って進めるものだと思ってます。」

細川さん
「弓道は僕にとって『かけがえの無い』存在です。」

『今後の目標は、県新人大会で好成績を残し、全国選抜に出場することです。がんばるぞ!おー!』

未来に向け挑戦し続ける高校生たちの放つ矢は、明日を射抜きます。

ステップ
https://www.tuf.co.jp/general?id=147
福島県内にて月~金曜日 夕方6時15分~放送中
(2024年10月16日放送回より)