新米のシーズンが到来しました。しかし今年は米の供給が、例年とは違う厳しい状況にあります。昨年の猛暑で米の収穫量が減少し、さらに台風や南海トラフ地震に対する備えとして、消費者が米を買い込みしたことで米不足が深刻化。スーパーでは新米が徐々に入荷し始めているものの、価格は2割から5割も上昇しています。米の安定供給に向けた課題と、今後の展望を探ります。

【住吉アナウンサー(以下:住)】長崎の暮らし経済ウイークリーオピニオン。平家達史NBC論説委員(以下:平)とお伝えします。
テーマは「新米シーズン到来どうなる令和の米不足!?」です。

【住】私もスーパーに行って米の棚が空っぽで購入できずに困ったことがありました。そもそも何故、米不足が起きたのでしょうか?
【平】今回の米不足は複数の要因が重なって引き起こされたと考えられています。

「米不足」…複数の要因で深刻化

1つ目は「猛暑による前年度の米の不作」です。去年は猛暑の影響などで、米の収穫量は661万トンと、前年産に比べて9万1,000トン減少しています。

2つ目は「販売数量の増加」です。ことし8月は、南海トラフ巨大地震の臨時情報が出されたり、台風10号が発生したりしたため、消費者がお米を買い込みしたことが、米不足につながったと考えられています。

また農林水産省がことし7月に発表した、「直近1年の主食用米の需要実績」は前年比1.6%増の702万トンと、10年振りに前年を上回っています。この背景にはインバウンド客の消費増加があると考えられています。