信頼を寄せる師匠のアドバイスを受けながら、苦手としている大技にも果敢に挑戦します。

荒本英世 先生
「途中、めちゃくちゃよかったじゃない。自信持って。練習ってのは最悪の事態に備えた準備。できているな。これより悪い状況はないよ。さあ、行こう。がんばろう」

荒本先生からの励ましの言葉を力に変え、リベンジできるか。

荒本英世 先生
「いいよ。よし」

「ほめることもなく、しかることもなく、事実を伝える。これをすると “自分で考える力” が育ちます。彼の素直さは最大の武器です。いいことはいいとして取り入れて、そして愚直にそれを繰り返し、自分のものとする。心技体が整い、特に心の部分で『パルクールの人というのはこういう人』だというのを示せるような選手になってくれたらなと思っていますし、なると思っています」

篠原光陽 さん
「自分はできなくても、笑顔で挑戦することができるからずっと続けられる。あきらめたらその技ができなくなってくやしいし、ほかの子がぼくよりすごくなったりするので、ほかの子よりあきらめずにがんばって…」

世界の頂点を目指す選手とコーチ。強い絆でともに戦う2人が思い描く “未来の姿” を聞いてみました。

パルクール教室 荒本英世 先生
「今、彼を喜ばせたり、ほめることは簡単だと思います。でも、彼が20歳になったときにも『あのことには価値があった』といって思い出してくれるようになっていれば、“ぼくの指導は本物” だと確信できるかなと思って、これから少なくとも10年は彼といっしょにパルクールの道を歩んでいくつもりでいます」

日本選手権キッズ部門 優勝 篠原光陽 さん(9)
「将来の夢は世界でスピードとフリースタイルで二冠して、世界でパルクールを教えるコーチになりたいです」

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楠本麗奈 アナウンサー
小学生とは思えない、このしっかり具合。パルクールは、目の前に対戦相手がいるわけではないので、常に己との戦いが必要になってくる。メンタルがどんどん鍛えられていくスポーツなんだそうです。今後の篠原さんの活躍に期待したいと思います。