北朝鮮は16日、およそ140万人の若者が今週、軍への入隊や復隊を志願したと報じました。15日には南北をつなぐ道路を爆破したばかり。この強硬姿勢の背景には何があるのでしょうか?
北朝鮮 金正恩 総書記
「敵が主権を侵害する武力の使用を企てるなら、容赦なく核兵器を含む全ての攻撃力を使う」
これは今月4日、朝鮮中央テレビが伝えた金正恩総書記の言葉。今月、韓国に対する強硬姿勢がエスカレートしています。
韓国軍によりますと、15日には韓国と北朝鮮を結ぶ道路の一部区間を爆破。そして、きょう付の労働新聞には…
「戦争が勃発すれば、韓国は抹殺されるだろう」
北朝鮮は、14日と15日の2日間で学生や青年団幹部を含むおよそ140万人の若者が軍への入隊や復隊を志願し、「革命の武器で、敵を滅ぼす神聖な戦争を戦う決意だ」としています。
韓国との関係について、金正恩総書記は「第一の敵対国」と呼び、関係を完全に断ち切ろうとしていて、今回の爆破もその一環とみられています。一体なぜなのでしょうか?
専門家は…
慶應義塾大学 礒崎敦仁 教授
「今は自分たちの体制を守るためには『統一』、つまり北朝鮮が主導して統一をするという非現実的なことを掲げるよりは、それを放棄して、自分たちの国、北半部、朝鮮半島の北だけを守り抜くんだ。今は体制を守り抜くんだ。韓国は外国でしょう?関係ないでしょう?だから干渉しないでくれという姿勢に転換したということです。ある意味、金正恩政権の現実主義であるように思います」
一方、北朝鮮の周辺国に目を移すと、北朝鮮は6月に金総書記がロシアのプーチン大統領と「包括的戦略パートナーシップ条約」に署名し、ロシアとの関係強化を加速させています。
これに対して、今年、国交樹立から75年を迎えた中国との関係では、韓国メディアが祝電などの中に「友好」や「協力」という表現が減り、北朝鮮が中国と「疎遠」になっているとしていますが、実際はどうなのでしょうか?
共同通信 平井久志 客員論説委員
「ロシアに非常に傾いているということは、事実として言えると思います。ただ、中国との関係を決定的な対立関係に持ち込みたくはない。ロシアとの関係が強化されて、中国との関係がやや疎遠になっているように見えますが、もしウクライナ戦争というのが終われば、ロシアと北朝鮮の関係というのは、また新しい状況に変化していく可能性がある。その時に中国との関係が非常に険悪な関係になっていれば、北朝鮮としては頼るところがないという状況になってしまう。短期的な目と長期的な目で朝鮮半島を見なければいけない」
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