昭和58年(1983)11月に撮影された旧・長六橋(ちょうろくばし)の映像です。現在の一代前の長六橋で、昭和2年に架けられたタイドアーチ構造の鉄橋です。


県民に愛された美しいアーチ橋でしたが、完成から半世紀以上が過ぎ老朽化が進んだため、新しい橋へ架け替えることになりました。当時ニュースはこう伝えています。

「熊本市の白川(しらかわ)にかかる長六橋は、慶長6年(1601)に架けられたところからその名がありますが、以来熊本を代表する橋として知られています。この長六橋、昭和初期には日本でも指折りの鉄の橋に生まれ変わりました。

総工費が当時のお金で38万円あまり、県の予算の5%という巨費を投じて建設されました。この鉄でできた長六橋は空襲の時も、昭和28年(1953)の大水害の時も無傷で現在まで親しまれてきました。しかし完成から56年が経過しており、老朽化は否めず、ついに新しい橋への架け替え工事が始まりました。

幅22メートルで4車線、長さ123メートルの新・長六橋は、総工費20億円あまりをかけ、昭和62年(1987)3月までには完成の予定です。古き良きものが姿を消すことは寂しい限りですが、また新しい長六橋の歴史がここから始まろうとしています。」

架け替え工事は予定よりも遅れ、平成3年(1991)に新・長六橋が開通しています。