■陸上・日本学生対校選手権 1日目(9日 京都・たけびしスタジアム京都)

陸上の大学ナンバー1を決める日本インカレが9日に開幕した。女子10000mに日本歴代3位の記録を持つ不破聖衣来(拓殖大2年)が出場、32分55秒31で初優勝を果たした。度重なるけがに泣き、5月の日本選手権を欠場するなどしていたが、145日振りの復帰レースを優勝で飾った。

去年12月に走った10000m(関西ディスタンストライアル)では、初挑戦ながら20人を周回遅れにし、日本歴代2位(当時)となる30分45秒21のタイムで優勝。世界への飛躍も期待されていたが、けがの影響で5月の世界陸上代表選考会(日本選手権)への出場を断念していた。

「走れない悔しさが大きかった」と振り返る不破は、かねてより悩まされていた貧血で今も万全とは言えないなかでの復帰戦だった。
中盤、先頭集団後方に下がったが、残り3000m付近でペースを上げ、底力を見せつけた。そこからは圧巻の走りで後続を突き放し、最後の直線ではさらにペースをあげフィニッシュ。ゴール後には笑顔を見せた。

レースを終え「大会に出られることがすごく嬉しくて」と語った不破。「スタート前は練習とか十分に積めていなかったのでちょっと不安もあったんですけど、レースが始まる召集の時からそうだったんですけど、ここに戻ってこられて良かったという思いが強くて最初から最後まで、楽しんで走ることができました」と5か月ぶりのレースに喜びを噛みしめた。