驚異の長期保存ができる「冷凍でも冷蔵でもない第3の保存方法」や、「フルーツの皮を一瞬でむけちゃう」ものまで!近い将来“食卓革命”を起こしそうな驚きの新技術が登場しています。
「茶色の粉」で果物の皮がツルっとむける
フルーツは好きだけど、むくのが手間…という人も多いのでは?
今では簡単に食べられる「カットフルーツ」が人気ですが、今後は安くなるかもしれません!

「あるものを使うと果物があっという間にツルンとキレイにむけるんです」と話すのは、日刊紙『日本農業新聞』の報道部次長、石原邦子さん。
“一瞬でフルーツの皮がむける”技術が長野県で開発されたといいます。
皮むきに使うのは、一見きな粉のような「薄茶色の粉」。

『長野県農村工業研究所』上席研究員・滝沢 潤さん:
「この粉は、酵素。人間の体の中にも唾液にも含まれていて、動物や植物色んな物に含まれている物質です」
体内で食べ物の分解を助けてくれる酵素。味噌など発酵食品や、消化を助ける大根おろしなど様々に利用されてきました。スーパーなどにあるお団子も、酵素を入れているので硬くならないんです。
その酵素のパワーで、“果物の皮がいとも簡単にむける”とのことですが、手順はいたってシンプル。
〔1〕酵素の粉を水に溶かして「酵素液」を作る
〔2〕酵素液に皮に切り込みをいれたフルーツを漬ける
〔3〕浸透しやすくなるよう、真空状態にして約5分待つ
試しに皮の厚いグレープフルーツを液に漬けて5分、取り出してみると…

SBC信越放送 久野大地アナ:
「持った感じが全然違います。皮が柔らかくなってます。うわ~!プチプチとはがれるように皮がむけます。めちゃくちゃ気持ちいい!」

指でちょっと押すだけでへこむほど柔らかくなった皮がツルっとむけちゃう!中の白いわたもきれいに消えて、プリプリの果肉だけの姿になりました!
『長野県農村工業研究所』滝沢さん:
「果実の皮と身の間にあるペクチンなどの部分を溶かすことによって、むけやすくしている」

食べてみるとまたビックリ!果汁たっぷりで、グレープフルーツのプチプチ粒感がしっかり。薬品の香りや苦みも一切なし!そこが酵素の良さの1つなんです。

すでにフルールサンド業界からの問い合わせも増えているといいますが、柑橘系以外のフルーツは開発までに要した時間が10年!
苦戦したのは皮が水をはじくブドウやモモで、フルーツごとに酵素の濃度を少しずつ変えて実験を繰り返し、今ではトマトやキュウリなどの野菜まで酵素で皮をむくことに成功!2024年1月には特許も取得しました。

いち早く、カットフルーツにこの技術を取り入れた企業は「生産効率が上がると価格を抑えられる可能性も出てくる」(アイバイオプロダクツ・福村修一社長)と話していて、近い将来、カットフルーツが安くなるかもしれません。














