大分市を舞台にした2つのアニメ映画が10月に公開されるのを前に、原作者の乙野四方字さんが来県し、作品の魅力や映画化への思いを語りました。
大分市を舞台にしたアニメ映画「僕が愛したすべての君へ」と「君を愛したひとりの僕へ」が10月、2作品同時に全国公開されます。

原作となった2つの小説を手がけたのは大分県豊後大野市出身の乙野四方字さん(41)。今回、4年ぶりに帰郷した乙野さんに作品への思いを聞きました。
――大分市を舞台に作品を描いた思いは?
乙野さん「せっかく大分に生まれたんだから何か大分のいろんなところに行ってみようと思って、実際行ってみたら小説の舞台にすごくいいなっていうところがいっぱいあった。それこそ昭和通り交差点のレオタードの女なんかも何回もあそこを通っていたのにそんなものがあることも知らなかったんですよね。そして気づいたらそれが魅力的に思えてきて」

少しずつ絡み合う2つの平行世界の物語は、見る順番で結末が大きく変わるというこれまでにないラブストーリーです。
――作品に込めた思いは?
乙野さん「自分の人生って1つしか選べないじゃないですか。だけど今の自分になりたかったけどなれなかった自分というのはどこかにいるんじゃないかって思うと今の自分をすごく肯定できるというか、大げさな言い方をすると自分の人生が素晴らしく見えてくると思うんですよ。そんな想像をみんなにもちょっとしてもらえたらと思っています」
2つの小説が2つのアニメ映画となって同じ日に公開されることについて、作者として「信じられないくらいうれしい」と話します。
乙野さん「前例がないですよね、こういう形って。しかも同じ会社が2つ作るんじゃなくて別々の会社が1個ずつ作るっていうことで、すごくきれいだしキャラクターもすごくかわいいし、すごく楽しみです。本当に一視聴者としても楽しみです」
宮沢氷魚さんや橋本愛さんら今話題の俳優陣をメインキャストに、大分市の風景がふんだんに盛り込まれた2つの映画は10月7日に全国公開されます。
