5キロ・2700円 例年より500円高く販売
そうした中、近くの直売所では、新米の夢つくしが5キロ・2700円で販売されていました。

去年より500円ほど高いそうです。

JAふくおか嘉穂 ファーマーズマーケット 大内田伸二 店長
「売れ行きは例年に比べてかなりいい状況です。5割以上です」
この直売所では去年のコメは7月に売り切ってしまったため、新米が入るや否や飛ぶように売れたということです。
機械・肥料・農薬 採算合わない
一方で生産者は、まだまだ今の価格では経営的にも厳しいと話します。

嘉穂才田農塾第一利用組合 斉藤保生 組合長
「もう再生産価格(コストに見合う販売価格)が全然合わんですよ。コンバインの4条刈りやったら、900万近くするとですよ、それに田植え機が2~300万円するですしね、とてもやないけど減価償却しよったら合わんですよ。みんな作り手がないですよ。」
兼業農家が8割に
原料の多くを輸入に頼る肥料や資材の高騰に加え、10年ほどで更新が必要な機械の負担も相まって、重くのしかかる生産コスト。
コメ農家だけでは生活が成り立たないため兼業農家が増えていて、JAふくおか嘉穂によりますと生産者、およそ2000人のうち今や8割あまりに上るといいます。

そうした状況を少しでも改善しようと、JAグループ福岡ではコメを集荷する際に生産者に前払いする概算金を今年は60キロ当たりおよそ3500円上乗せし、昨年比で28%程アップしました。
ただ、コメの小売り価格に対してJAグループ福岡は…

JAふくおか嘉穂 畠中和好 専務理事
「今回のお米の値上がりにつきましては、肥料、農薬等、生産資材の値上がりに対する価格の転嫁が原因ではございません。コメ不足による一時的な値上がりであるということ」

生産コストの高騰を価格転嫁出来ていない現状と需要のバランスの難しさを改めて訴えました。
コメの値上がりが全国的な問題となっていますが
実は、コメの価格は30年前の水準よりも低い状況なのです。