静岡県牧之原市の認定こども園の送迎バスで、置き去りにされた園児が死亡した事件を受け、宮崎県が、7日、県内の幼稚園などに送迎バスの安全管理を徹底するよう、通知したことが分かりました。
通知では、今回の事件を踏まえ、置き去りを防止するため、バス車内に注意点を掲示することなど、具体的な対策の導入を求めています。
この事件は、5日、静岡県牧之原市の認定こども園で、3歳の女の子が送迎バスに取り残され、熱中症で死亡したもので、安全管理のずさんさが指摘されています。

これを受け、県は、7日、自治体を通じて、県内の幼稚園や認定こども園などあわせて534施設に対し、送迎バスの安全管理の徹底を求める通知を出しました。

通知では、送迎バスを利用する際、子どもの人数や座席に子どもが残っていないかの確認を徹底するよう求めています。
また、今回の事件を踏まえ、バス車内に注意点を掲示することや子どもの人数などを確認する際に使用する運行管理簿の作成など、具体策の例も示しています。

全国で、送迎バスに置き去りにされた園児が犠牲となる同様の事件が相次ぐ中、幼稚園では、すでに具体的な防止対策に取り組んでいるところもあります。
(長友幸生記者)
「こちらの光が丘幼稚園では、事故防止のため、あらゆる安全対策を徹底して行っています。」

宮崎市佐土原町の光が丘幼稚園では、去年7月、福岡県で発生した同じような事件を受け、新たな対策を取り入れました。
(光が丘幼稚園 下苙敏大園長)
「うちの園では、バス運行のマニュアルを作らせていただきまして、乗り降りの確認だったりとか、安全運行ためののマニュアルを作らせていただきました。」
この幼稚園で、去年9月に作成した、送迎バスの運行に関する独自のマニュアル。

園児の乗り降りの際、職員2人で対応することや、最後に、運転手が、園児の降り忘れがないか確認することなど、手順を定めています。

(光が丘幼稚園 下苙敏大園長)
「今回の件で言うと、バス到着後は、降ろす際には必ず2名で対応するとか、降り忘れの確認を必ずバスの運転手がするようにという風に徹底しています。」
このマニュアルは、送迎の担当者だけでなく、すべての職員で共有しているということです。
また、アプリを活用し、毎朝、登園予定の園児の数と、実際、教室にいる園児の数が、合っているかを、確認する仕組みも導入しました。

さらに・・・
(光が丘幼稚園 下苙敏大園長)
「また、(マニュアルを)1回作ってしまうと、忘れてしまうので、毎月のチェック表を作らせていただきました」
マニュアルが守られているか、確認するチェック表も作成し、毎月、職員に提出させています。

(光が丘幼稚園 下苙敏大園長)
「一つ一つ細かいところをチェックしていって、誰かの責任とかじゃなくて、みんなでみんなを守るという意識が必要なのかなと思っています。」

再び起きた送迎バスで子どもが犠牲となる事件。
子どもの命を守るため、現場での、安全管理の徹底があらためて求められています。