“いくつものハードル” 石破氏「金融所得課税の強化」主張 岸田内閣では実現せず

良原安美キャスター:
経済政策について石破氏は「物価高を上回る賃上げ」、「デフレからの完全脱却」を掲げていました。これらは岸田政権の取り組みを継承した形です。成長戦略のひとつとして「賃上げ」を掲げています。
石破氏は9月25日、「2020年代に1500円を目標として、最低賃金の引き上げに取り組んでまいりたい」と話しました。
TBSスペシャルコメンテーター星浩さん:
最近は1000円を超える最低賃金になっていますが、さらに上がってくると中小企業はなかなか厳しいです。1500円を目標とするのはいいですが、実際にはなかなか厳しいと思います。法律絡みの改革・改正に関しては選挙に勝ってからなので、そう簡単にはいかないのが現状です。

良原キャスター:
さらに石破氏は、NISAへの課税は否定していますが、株式の売却益などにかかる「金融所得課税の強化」も掲げています。法人税の増税についても言及しています。
岸田内閣でも金融所得課税の強化方針を打ち出されましたが、▼株価の下落、▼証券業界などからの猛反発があり、実現せず先送りになっていました。
星浩氏は「いざ実行するとなると、いくつものハードルがある」としています。
TBSスペシャルコメンテーター星浩さん:
現在、配当などへの課税は約20%ですが、それを25%や30%にするのは、貧富の格差を是正するということで非常に結構なことだと思います。
ただ、その方針をアナウンスしただけで株価が下落するので、法律にしたり、国会で通したりするとなると相当抵抗もあるのではないでしょうか。現実はそう簡単にいかず、岸田氏自身も棚上げしたくらいです。
井上貴博キャスター:
解散もそうですが、当初「すぐには解散しない」と言っていたのに、蓋を開けたらすぐに解散に言及しました。ある意味で公約違反と感じてしまいますし、石破氏にとって大事な部分がどんどん消えていくように思います。
TBSスペシャルコメンテーター星浩さん:
これまで非主流が長かったので、かっこいいことは言いますが、現実に汗をかいて実現することをあまりやってきませんでした。どちらかというと、“有言不実行内閣”となりつつありますよね。
ホランキャスター:
選挙を控えていますので、一挙手一投足の何がプラス・マイナスに転じるか、わかりませんね。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
まさに、これから実行力の部分が試されると思います。
(石破氏は)自分の意見をしっかりと述べる方だったので、これまで述べてきたことを、いかに総裁・総理として、やりきることができるのか。解散については、総裁選前に言っていたこととは違うと思いますが、総裁・総理として結果を出すためにどうしてもやらなければいけなかったということであれば、結果で示してほしいと思います。