大宜味村喜如嘉の芭蕉布の美しさや、その背景にある文化について紹介する展覧会が那覇市で始まりました。
この展覧会は戦後、芭蕉布の復興や技術継承に尽力してきた「喜如嘉の芭蕉布保存会」が今年で設立50周年となるのを記念して開かれました。
国の重要無形文化財に指定されている芭蕉布は琉球王国時代、年齢や性別、身分を問わず幅広く着用されたもので、会場には、各地の多様な芭蕉布など約140点が展示されています。
このうち、極細の糸で織り上げ絹のような光沢が美しい黒朝衣(クルチョージン)は、19世紀に士族の男性が礼服として着用したもので、青い染料である藍を何度も染め重ねることで深みのある黒を生み出しています。

また、芭蕉布で仕立てられた江戸時代の火事羽織(かじばおり)は、献上品として琉球から江戸へ運ばれた芭蕉布がどのように活用されたかを読み取ることができます。
▽喜如嘉の芭蕉布保存会 平良美恵子会長
「土地がもつ雰囲気、湿度、温度、土壌、それらを全部ひっくるめて布ができている」「糸が持っている存在感。喜如嘉うむにー(績む人)の心の生き方も入っているなぁと思っています」
芭蕉布復興を目指し、その技を磨き続けた人々の思いを紹介する芭蕉布展は、12月1日まで県立博物館・美術館で開かれています。