判決後、浦添市は遊具の使用基準を見直した

ーもともと浦添市は、遊具の安全点検を定期的に行っていたということですが、遊具に多少の劣化があったとしても、使用禁止という判断まではしていませんでした。しかし裁判の結果を市は重く受け止め、去年12月、遊具の使用基準を引き上げたのです。

そうして全体の56%の遊具が“使用禁止”となってしまいました。浦添市ではこの問題が市議会でたびたび議題となり、早急な対応が必要だと認識されていますが、現在使えなくなっている116遊具のうち、今年度改修予定の遊具の数はわずか5つです。

市内の公園の遊具の56%が使用禁止の異常事態


改修のペースが上がらない背景には、人員不足や予算不足の問題があります。改修にかかる費用は遊具1つにつき1000万円から2000万円。これに対して今年度確保されている予算は国からの交付金など、合計7200万円です。

市内の遊具の全てを改修するには10年以上がかかる見込みですが、沖縄の遊具は塩害や紫外線の影響をうけ、メーカーが想定している耐用年数より短くなる、沖縄特有の事情もあるそうです。そうして今後新たに改修が必要となってくる遊具が増えることを踏まえると、従来のように遊具で遊べる環境の確保は厳しい見通しと言わざるを得ません。