左足を骨折、AT車なら運転は可能?
では、足を骨折した場合は違反になるのでしょうか。国内で主流のAT(オートマチック)車は、通常右足だけでアクセルやブレーキを操作します。左足を骨折してギプスをつけていても問題ないように思われますが、弁護士の見解は?
深田弁護士:
「AT車であれば、左足を骨折しギプスで固定していても運転に支障がなければ、違反には該当しないでしょう。右足を骨折した場合は、さすがにアクセルやブレーキの操作が不安定となり、安全運転義務違反となる可能性が高いです」

一方、ギプスをつけたまま運転し、もし事故を起こした場合、過失割合や刑事処分に影響が出る可能性があるといいます。
深田弁護士:
「ギプスをしていたことが原因でハンドルやブレーキ操作に支障が生じた結果、事故となった場合は、過失の割合が変わることがあります。また、相手を死傷させた場合は、過失運転致死傷罪が適用される可能性があります。ギプスでの運転が明らかになれば、起訴、不起訴を決める際に不利な判断材料になったり、有罪となった場合に量刑が重くなったりすることもありえます」
手や足を骨折し、ギプスをつけたままの運転は、安定した操作が難しく、緊急時の回避が遅れるなど、重大なリスクを伴います。安全を最優先に考えて骨折の完治に専念し、車の運転は控えることが賢明です。