能登半島地震で大きな被害を受けた石川県輪島市の「輪島朝市」の事業者による「出張朝市」が仙台市内で始まりました。輪島塗の工芸品や水産加工品が並びました。
玉置佑規キャスター:
「会場では、伝統工芸品の輪島塗や能登の海産物を使ったおいしいものが並んでいて買い物客で賑わっています」

青葉区の藤崎前で始まった「出張輪島朝市」。干物や乾物に加え輪島塗の箸や器などを扱う4店舗が並び、訪れた人たちは「応援しています」などと声を掛けながら商品を買い求めていました。

能登半島地震で被災した一部の事業者は全国を回り「出張朝市」を開いていて東北での開催はこれが初めてです。

訪れた人:
「誰かにプレゼントして使って喜んでもらうのがいい。今の私にできることかなと思う」
「私たちも震災を経験しているからよく気持ちがわかる」
日本三大朝市のひとつ「輪島朝市」は、能登半島地震とそれに伴う火災で大きな被害を受け、さらに輪島市は9月、記録的豪雨に見舞われました。

26日は、豪雨で再び被災した事業者も出店していました。
出店した事業者:
「9か月経って頭も回るようになって地震前の体に戻ったのに、また家が水没してしまって、また避難所に2日いたけど、こんなことしとったら頭が変になると思って仙台に逃げてきました」
買い物客:
「いっぱい逃げて遊んでいってください」
出店した事業者:
「おいしいもの食べて帰ります」

輪島塗を製造・販売する「鮓井(すしい)商店」も地震で工房、店舗が全壊に。8月、仮設住宅で製造を再開しましたが、豪雨により商品や道具が水没したと言います。
鮓井商店 鮓井伸和さん:
「やっと避難所を出て、これからという時にこの間の雨で避難所に逆戻りという人もたくさんいる。みんな八方塞がりの状態なので、催事ができることはありがたい」

「出張輪島朝市」は藤崎本館、サンモール側の特設会場で28日午後5時まで開かれています。
今回の出張朝市は、豪雨の影響で参加店舗は半分になったということです。それでも会場には、午前中から多くの人が訪れ活気が見られました。会場では、被災地を襲った豪雨災害への義援金も受け付けています。