北米・中南米が原産の大型のカエル「オオヒキガエル」が沖縄本島中部で初めて確認されました。強力な毒を持つうえ昆虫など小型の動物を大量に捕食することから、生態系を乱す恐れがあるとして、県は防除を進める方針です。

県によりますと今月15日、沖縄市の住民が、体長13.5センチ・体重230グラムのメスのオオヒキガエルを捕獲して県に通報しました。

県の資料によりますと、オーストラリアで捕獲されたオオヒキガエルでは体長24センチ・体重1.3キロに達した個体の報告例もあるということです。

環境省提供 オオヒキガエル

オオヒキガエルはかつて、サトウキビの害虫を駆除するなどの目的で大東諸島と石垣島に意図的に導入され、その後、物資の輸送にともなって他の島でも確認されたことがありますが、定着には至っていないとされています。

「オオヒキガエル」特徴は

国立環境研究所のデータベースによるとオオヒキガエルは高温に強く、気温42℃でもオタマジャクシから変態できるとされているほか、産卵数は8000~2万5000個と繁殖力が非常に強いのが特徴です。

周年で生殖可能とされていて、「世界の侵略的外来種ワースト100」にも指定されています。

昆虫類をはじめ、地表に生息する小動物が捕食されることや、他のカエル類・トカゲ類と競合するため生態系に影響を与えるほか、毒があるためオオヒキガエルを捕食する動物にも影響が生じうるとされていて、実際にヘビの「サキシママダラ」がオオヒキガエルを飲み込んでいる最中に死んだ例も確認されているということです。

背中一面にイボがあるのが特徴で、「ボボボボボ…」と機械音のような鳴き声を発します。夜間には街灯に集まる虫などを食べるため明るい場所にも現れるということです。

県は、オオヒキガエルを目撃した場合は県自然保護課に通報するよう呼びかけるとともに、直接捕獲する場合は素手で触れないように気を付けるよう注意喚起しています。