世界バレーの決勝トーナメントを戦うバレーボール男子日本代表が、フランス戦を翌日に控え、本番の試合会場で練習を行った。
6対6の練習では石川祐希(26)とセッター・関田誠大(28)がトスについて、長さなどを細部に渡り確認。3試合で10本のブロックに成功し、1次ラウンド終了時点でブロックランキング1位だった小野寺太志(26、ミドルブロッカー)は、この日もスパイクを完璧に止めるなどチームを盛り上げた。

日本が戦うフランスは東京五輪で金メダルを獲得し、6~7月に行われたネーションズリーグでも優勝。対戦成績は23勝44敗で、日本は7連敗中の相手だ。直近ではネーションズリーグの予選ラウンド(6月25日)と準々決勝(7月22日)で2回戦っているが、いずれも日本が敗れていて、2016年6月のリオ五輪予選で勝利して以来、勝ち星がない。
ただ、ネーションズリーグ予選ラウンドのフランス戦に、石川、西田有志(22)は出場しておらず、準々決勝も石川が左足首捻挫によりメンバーから外れるなど、日本は“フルメンバー”で戦えていなかった。
ヌガペトに「飲み込まれてはダメ」
フランスをけん引するのはアウトサイドヒッターのイアルバン・ヌガペト(31)だ。ヌガペトは石川のモデナ時代のチームメイトで、東京五輪ではMVPを獲得。身長194cmと海外選手の中では決して大きいとは言えないが、髙橋藍(21)もかねてより「2段トスのハイセットの打ち方だったりとか、決定率の高さ、打つまでの視野の広さだったり判断力を参考にしている」と語るように、フランスの絶対的エースだ。胸でのレシーブを披露するなど超トリッキーなプレーが持ち味のヌガペト。髙橋は「ヌガペト選手が乗ってくるとチームも乗ってくる」と警戒する。「色んな技を持っている。バレーを楽しみながらやっている選手なので、それにこちらが飲み込まれてはダメ。サーブで崩して、サイド勝負。エースを取れればいいが、日本のディフェンス力を生かして、ブレイクをしていく中で、日本がリードしていくことが大事」と続けた。

ヌガペトは5日、取材に応じ「(石川は)私の友達でもありチームメイトだった。このレベルで再会できて嬉しい」とコメント。さらに「(石川)祐希と西田。彼らはイタリアで経験を積んだいい選手。この2人を封じ込めるのが勝利へのカギになる」」と日本の両エースを“要注意人物”として挙げた。
日本戦については「素晴らしい試合になるだろう。日本は完全なチームで臨んでくるからいい試合になるはずだ。日本は我々のようなうまいディフェンス力があるから、明日(6日)はディフェンス合戦でラリーが続く、いい試合になると願っている」と話した。
日本が目標に掲げる「ベスト8」進出へ、王者・フランスに挑む日本。負ければ敗退の「ノックアウト方式」で行われる決勝トーナメントのフランス戦は、日本時間の6日午前4時に行われる。