長野道と中央道の岡谷ジャンクション付近で行われているリニューアル工事。
渋滞の影響などで、周辺では、5月の工事開始から9月16日までに49件の事故が相次ぎ死者も出ています。
対策は十分なのか、取材しました。


上原記者:
「事故車両2台が停まっています。前の部分が大きくつぶれています」

岡谷ジャンクションの近くでは16日にも、追突事故が発生。

それからおよそ1時間半後には、トラックなど3台が絡む玉突き事故が起き、3人が搬送されました。

長野道と中央道の岡谷ジャンクション付近で今年5月から始まった大規模なリニューアル工事。

ネクスコ中日本によりますと、1986年に開通した岡谷高架橋の老朽化したコンクリートを取り替える作業が進められています。


今年は11月末までの期間に長野道の岡谷インターから岡谷ジャンクションまでの上下線、中央道の諏訪インターから岡谷ジャンクションまでの下り線が、2車線から1車線に規制されます。

工事に伴い現場周辺では慢性的な渋滞による事故が多発しています。

県警高速隊によりますと、工事開始から16日までの間に、追突事故などが49件相次いでいて、そのうち11件が人身事故となっています。

8月には6人が乗る乗用車が追突され、重体となっていた男性がその後、死亡する事故も起きました。

県警高速隊 田口副隊長:
「渋滞の最後尾にスピードが乗っている状況で、追突する事故が、大きな事故に繋がっています」
「渋滞の中でも停車発進を繰り返す中で、ちょっとしたわき見などで、前の車が動いていると思っていたのに急に停まっていてぶつかってしまう事故も」

現場は、どのような状況なのか、実際に走って確かめてみました。

上原記者:
「岡谷ジャンクションまで8キロほどの地点でも、もうすでに渋滞に注意を促す看板が出されている」


長野道上り線をみどり湖パーキングエリアから岡谷インターに向かって走ると、工事による渋滞を知らせる表示がジャンクションのかなり手前から確認できます。

さらに、7キロほど手前から、50キロの速度規制がはじまりました。

その後も車を走らせると・・・

上原記者:
「先ほどまで滞りなく走行できていたにもかかわらず突然、渋滞に巻き込まれ、車も停まってしまうような状況です」

突然、渋滞が始まりました。

表示などで渋滞の予測ができていても急いで減速を強いられるような状況です。

県警高速隊 田口副隊長:
「この先工事をしていますよという看板などあれば、渋滞している可能性というのを十分に認識していただき、より運転に集中していただき、車間距離をしっかり開けて運転していただければ」

取材では現場に注意を促す表示が数多く確認できました。

さらに中央道上り線を辰野パーキングエリアから岡谷ジャンクション方面に走行してみると・・・。

上原記者:
「ジャンクションに近づくにつれて看板の間隔が狭くなっているように感じる。およそ500メートルおきに注意を促す看板が立っている」

それでも頻発してしまう事故、対策は十分なのでしょうか。

ネクスコ中日本交通管制課 佐野昌嗣(さの・まさつぐ)課長:
「我々としても事故が多いということは認識している。岡谷ジャンクションは分岐したらすぐに橋になっていて、長野道に接続するランプの部分がすでに橋になっているので状況がほかの橋とは違っている」
上原記者:
「けが人が出続けているが、これで大丈夫ですか」
佐野課長:
「本線を走行している人には渋滞末尾のお知らせシステムやみちラジ(交通情報通知アプリ)を活用してもらいながら道路情報を取得・把握してほしい」

ネクスコ中日本は渋滞の最後尾での事故を減らすために今後もドライバーへの注意喚起を進めていきたいとしています。


ネクスコ中日本交通管制課 佐野昌嗣課長:
「看板の増設や設置場所を渋滞が発生する前の上流側に設置するなどの対策を実施している。安全に走行してもらうために非常に重要な工事となっている一方で事故対策も重要なので、発生状況もみながら事故対策も今後さらに検討を進めていきたい」

2029年まで今後6年かかる見込みのリニューアル工事。

対策で頻発する事故を防ぐことはできるのか今後も注視していく必要があります。