12日の債券相場は下落。米国で8月の消費者物価指数(CPI)の食品とエネルギーを除いたコア指数が市場予想を上回り、金利が上昇したことを受けて売りが優勢だ。日本銀行の田村直樹審議委員の発言や、20年国債入札がやや弱めの結果だったことも売り材料になった。

20年債入札は最低落札価格が102円90銭と予想(103円ちょうど)を下回り、大きいと不調を表すテール(落札価格の平均と最低の差)も20銭と最近では大きめだった。三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは「利回り水準の不足感により投資家が応札に慎重になり、やや弱めの結果になった」と言う。

日本債券:20年利付国債の過去の入札結果(表)

田村委員は講演で、景気を刺激も冷やしもしない金利水準である中立金利は「最低でも1%程度」とみており、2026年度までの見通し期間後半には少なくとも1%程度まで短期金利を引き上げておくことが必要と発言した。

少なくとも1%へ利上げ必要、市場動向配慮し段階的に-田村日銀委員

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大塚崇広シニア債券ストラテジストは、7月の日銀金融政策決定会合の主な意見で同様の意見が出ており、それが田村委員であることは容易に想像できたので「新しい情報ではない」と指摘した。

 

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