オウム真理教問題に取り組んでいた坂本堤弁護士ら一家3人が、オウム真理教の幹部らに殺害された事件から11月で35年になるのを前に、9日、松本市で死刑問題をテーマにしたドキュメンタリー映画が上映され、坂本弁護士の元同僚の弁護士がゲストとしてトークショーに参加しました。
この映画は、オウム真理教による一連の事件で幹部13人の死刑が執行されたあと、事件や裁判に関わった弁護士などの死刑についての思いをまとめたドキュメンタリーで、坂本さんの元同僚である岡田尚弁護士は複雑な心中を語りました。
岡田尚弁護士:
「『彼らを許します』という気持ちには今でも到達してません。許してないです。はっきり言って。でもその許してないという結論が死刑なのかと言われるとそこは違うと」
発生当時、事件報道に携わった長塚洋(ながつか・よう)監督は、教団が凶悪な事件を起こしていくその出発点となったのが、坂本弁護士一家の殺害だったと指摘します。
長塚洋監督:
「それぞれの警察がもっと深入り根深くやっていたら坂本事件で止められたはずだし、上九一色村のサリンの製造を止められたはずだし、地下鉄サリンはないはずだ。そういう意味でいうと、もちろんオウム自体が凶悪なことを起こしたんだけども、やっぱり坂本事件が原点だったってことを忘れちゃいけない」
岡田弁護士は一連の事件は、いつの時代でも起こりうるとし、教訓をしっかりと後世に伝えていく必要性を強調しました。
岡田尚弁護士:
「閉塞感が強まると、その中で一つの爆発的なものはどこに起きていくのかっていうか、そういうのがカルトに行く。単にこの事件を風化させないというんじゃなくて、この事件を風化させないことの意味というのは、まさにそういう時代を超えた普遍的なね、課題問題を持っているからなんだと、単にもう俺の同僚の坂本がかわいそうだからずっと思い出してねっていうんでは決してないわけですよね」
日弁連では今後、大町市などにある慰霊碑の維持管理に関わり、事件の風化を防いでいきたいとしています。
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