北海道で高まる「地政学リスク」

―――続いては、ロシア軍の大規模軍事演習「ボストーク2022」の話です。参加した兵士、4年前は30万人だったんですけども、今年は5万人という規模です。
5万人という数字も実は大きいんです。30万人は、少し多すぎる数字で、実際は10万人ぐらいだったのではないか。5万人に減った理由は、やはり西部でウクライナ軍と戦っていますので、それほど兵士のゆとりはない。
―――演習場所には、北方領土の択捉島と国後島も含まれているということです。非友好国となった日本に対し、北方領土の演習が攻撃的なものになるのではないかというのが先生の懸念ですね。
今年、中国軍の海軍が参加しているんですが、もしかしたら北方領土付近で中国軍が参加して、中露の軍事演習をやるかも知れない。そうなりますと日中国交正常化、今年50年になりますので、中国に対しても少し軋轢が生まれる。そこで中国軍がどうなるかっていうのも一つの注目です。
―――9月3日、ロシアでは対日戦勝記念日です。これまでは9月3日に大規模な軍事演習はしてこなかったんだそうです。なぜか、安倍元総理とプーチン大統領の関係性があったから。
「晋三」「ウラジーミル」という関係を作り上げて、ちょうど9月3日付近にですね、ウラジオストクで東方経済フォーラムが開かれて、安倍さんは4年連続で行ってプーチン大統領と経済的結びつきを強めようとしていた。そこで配慮というか毒消しがされて、9月3日をあまり、ロシア国内でもプロパガンダとして日本の軍国主義をアピールすることはなかったけれど、安倍さんが亡き今、さらに非友好国ということですので、おそらく挑発的な発言、軍事演習を3日にぶつける可能性があります。

―――三澤解説委員によりますと、日本はロシアの「足の長いミサイル」にどう対応するか?
(三澤肇解説委員)
軍事演習の内容にもよると思うんですが、実際に択捉島なんかに、ミサイルを配置していますので、実際にそういったものを打ったときにどうなるのか、中国が台湾周辺で軍事演習したときに日本のEEZ内にミサイルが着水しました。北海道にはとても近く、不測の事態が起こらないのか、非常に心配です。今後、過熱すると日本もミサイルを北海道などに置いた場合、また軋轢が深まる可能性があります。
(佐々木正明教授)
今年はまず、ウクライナへの日本側の支援度によって、おそらく今回の9月3日の演習をやると思いますが、来年以降は、おそらく5月9日の対独戦勝記念日のような、日本への政治的アピールをやるような日になるかもしれません。
(2022年9月1日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)














