―――緊張が続くザポリージャ原発にIAEA(国際原子力機関)が調査に入ります。ウクライナ南部の町で、欧州最大級の大きな原発があります。


ウクライナは原発大国です。チョルノービリ原発事故があった後も、エネルギーミックスの中のパーセンテージが増え、最も大きな原発がこのザポリージャです。(大和大学 佐々木正明教授)

―――IAEA調査の受け入れをロシアも認めているということですよね?

はい。ロシアにとっても重要な基幹施設です。なぜかというと占領地が南部2州増え、クリミア半島には大事な軍港があります。ここのエネルギー源として最も大事な場所で、ロシア軍もここは失いたくない。そしてもし原発事故があれば被害や放射能漏れが、ロシア側にもやってきますので、ここは絶対ロシア軍が失いたくない、大惨事を起こしたくない意図があるんだと思います。

―――現在はロシア軍が占領。いっぽうウクライナは軍の管理下に完全に戻したい。双方が、攻撃は相手側によるものと主張しています。佐々木教授によりますと、「この原発は国内の半分に当たる電力を生む大事なエネルギー源だということと、これを盾にして攻撃ができるんじゃないか」と?

なぜザポリージャ原発の砲撃が相次いだかと言いますと、背景に、南部のウクライナ軍の反転攻勢があるんです。6~7月になってから強まりました。新しいロシアの報道を見たんですけども、ロシアの国防省が発表したんですが、ザポリージャ原発にウクライナ軍が急襲して制圧作戦を始めたという報道があります。ロシア国防省が発表していますので確認はもちろん取れないですけども、少しきな臭い情報もあります。

―――IAEAの査察はいつくらい?

原発の対岸にザポリージャ市がありまして、そこを出発したという報道もあり、早ければ現地時間の午前中には入っている可能性もありますが、「ウクライナ軍の急襲」という情報もありますので、実際は私もわからないです。