不登校に苦しんだ過去 救った「一言」

片岡妙晶さん
「学校あれです。なつかしい。ぷつっと完全に行かなくなったのは小学校5年生ぐらい。何で行かなきゃ行けないのかわからないし、その環境が別に快適なわけでもなかったから、耐えなきゃいけない理由もわからない」

小学校からはじまった不登校。学校へ行く意味を見いだせず、周囲の理解も得られない中、ある日、声をかけてくれたのが、祖父・正和さんでした。

片岡妙晶さん
「祖父だけは違っていて、学校休んでお昼ごろ、部屋に籠もっていた時にがらっと部屋に来て、『せっかく学校休んどんのに、なんで遊びにいかんのや』って。学校に行かない云々とか全く気にしていなかった。学校に行かないことではなくて、せっかく得た自由な時間を無駄にしていると言うことを叱ってくれた」

「これはなんか、本当に私のことを考えてくれてるなと、そこに割と感銘を受けたというか、私もそういうモノの見方、『常識にとらわれて物事をはかって、その上で人に何かを言うのではなく、ちゃんとその人自身と向き合って、その人に何を言うべきか』。そういった向き合い方ができる僧侶になりたいなというのは、ずっと胸には思っている」

常に気にかけてくれているわけではなかった。けれど、見捨てることもなかった。
先代の住職でもあった祖父との何気ないやりとりが、少しだけ妙晶さんの心を軽くしたといいます。

その後、祖父の背中を追うようにして、妙晶さんは仏教の専門学校へ進学。
布教使となった今では、全国各地のお寺だけでなく、声がかかれば、カフェや居酒屋でも法話を行います。そこには、多くの若者の姿もありました。