夏休み明けの今 伝えたいメッセージ

夏休み。香川県内のお寺に集まった小学生たち。

片岡妙晶さん
「みなさん、こんにちは」

妙晶さんは、子どもたちに向けた法話を行いました。

片岡妙晶さん
「合掌はどういう意味か知っていますか?右手が仏様、左手は私たち。仏さんと私たちが一緒になって、生きている命をいただいて、私だけの身体ではない。仏さんが宿っとるというのをこの合掌のポーズが表している」

法話の内容は、季節や参加者の年齢に合わせ、毎回イチから作り上げます。

片岡妙晶さん
「子どもは楽しむことが仕事なんです」

「何かひとつでも心に残ってほしい」と、わかりやすい言葉を心がけます。

子どもたち
「手を合わせていただきますという意味がよくわかりました」
「食べるものに関する感謝の大切さを知りました」

長い夏休みが明け、子どもたちの気持ちが不安定になりやすいこの時期。だからこそ伝えたい、妙晶さんの法話です。

片岡妙晶さん
「仏教には『無碍の一道』という教えがあります。無碍とは、障りがないという意味です。障りがないとは『教えに出会った人は何ものにも妨げられることのない、まっすぐな道を歩んでいくことができる』という意味の教えです」

「しかし、ここで言う“障り”“妨げ”とは、『私を邪魔する誰か』という意味ではありません。これは己の疑う心を意味します。
例えるなら、自分が今向き合っている出来事や、自分自身の人生を『このままでいいのだろうか』『私なんていない方がいいんじゃないか』と疑い不安になる心を、“障り”“妨げ”というのです。
私たち人間は、誰もが自分ひとりの命、また力だけでは生きていくことができません。私が今生きられているということは、『私を生かしたい』『ここにいてほしい』と願う誰かの思いの証なのです」

「皆さまもこれからたくさん不安になったり、苦しんだり、悩んだりすることがあると思いますけれども、『疑うことなく願いを信じて』苦難を乗り越えていきましょう。本日はようこそのお参りでございました」

小川彩佳キャスター:
「今生きられているということは、ここにいてほしいと願う誰かの思いの証」
優しく心に染み渡るような言葉でしたね。

藤森祥平キャスター:
大切な言葉にしたいですね。

田中ウルヴェ京さん:
妙晶さんの語りの間が絶妙で、言葉の重みとか深みをすごく知ってる方なんだろうなと思いました。おじいさまからの救われた一言もあると思いますし、やはり印象的だったのは、「聞いて飲み込んで味わって腑に落としていく」。人の言葉をそのように聞ける方がいるだけで、人は本当に安心できるのだとすごく思いました。

小川彩佳キャスター:
居場所がないという悩みを抱える方も多いと思いますが、こうした場所が開かれていて、こうして言葉を語りかけてくださる方がいると知るだけで、心の荷が少し軽くなるようにも感じます。

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<プロフィール>
田中ウルヴェ京さん
スポーツ心理学者(博士)
五輪メダリスト
慶應義塾大学特任准教授
こころの学びコミュニティ「iMiA(イミア)」主宰