次々と逮捕者が出ている、果物の盗難被害。狙われたのは”青いモモ”。都内に出没する路上販売団やフリマサイトの大量出品と関連はあるのか?そこには不可解な流通経路がありました。

■“青いモモ”売る謎の販売団 相次ぐ盗難被害との関連は?

    
今、SNSで各地に出没していると話題になっている、ある“モモの路上販売団”。

ツイッター
「食べたら全然甘くない」
「盗品じゃないか?」

いったいどんな桃を売っているのか…
その販売団が都内近郊に現れるという目撃情報を元にハリコミ開始。


Nスタ
「いましたいました!モモ7個300円と書かれています」

多くの人が行き交う駅周辺で路上駐車。あまりの安さに多くの人がモモを購入しています。

見ると、サイズが大きいモモは4個で1000円。7個で300円のモモはサイズも小さく熟していない青や黄色のモモ。山梨県産でJAから仕入れたものだといいます。

モモの路上販売団
「モモの産地に関しては(山梨・笛吹市の)一宮。JAにこれも出せって」


しかし“ある疑問”が… 

この業者について、警察や販売エリアの役所に確認したところ道路使用許可や販売の届け出はなく、山梨県産で正規に仕入れたというこの青いモモは普段スーパーでもみかけません。

そこで取材班は販売されているモモを入手し山梨県へ。実際に農家に見てもらうと…

山梨県の農家
「そもそも出さないから。出せない」
「絶対売れるものじゃないですね。青すぎます」


実は山梨県内では2022年6月以降、果物の盗難が相次ぎ、被害総額は約800万円に。
またJAは、この業者が扱っているモモは「JAから出たものではない」と否定。

では山梨産だというこのモモは誰がどこからどうやってもってきたのか…

追跡取材を開始! 進んだかと思いきや不自然な路上駐車を繰り返すなどしてようやくたどり着いたのは…都内の市場。しかし、建物の中には入らず駐車場の隅へ。
とそこへ1台の“白いワゴン車”が横付けされました。すると次の瞬間!


Nスタ
「手にモモのような物を持っています。荷台にたくさんのモモが積まれているようです」


市場で取引していると見せかけるためなのか?
駐車場の片隅で行われるモモの受け渡し。車から大量に出てきたのは…“青みがかったモモ”。さらに“巨峰”まで。

軽トラックはモモを受け取ると都内でまた路上販売。


モモを運んできた白いワゴン車を追跡すると、向かったのは…

Nスタ
「山梨方面へ向かって走っています」

時速150キロの猛スピードで消えていきました。


後日、改めて取材を申し込んだところ「青いモモは盗品ではない」と強く否定、しかしその入手経路について答えることはありませんでした。

“狙われた熟す前の青いモモ”。山梨県警は8月、不法残留の疑いでベトナム人2人を逮捕。1人は「各地で果物を盗み、山梨ではモモを盗んだ」という趣旨の供述をしています。いったいなぜ…


取材を進めるとSNSで青いモモの購入をベトナム語で呼び掛ける“一部の業者”の存在が…

SNS
「大きいモモを入荷。固い果物でシャキシャキです」


そこはベトナム人向けに輸入品などを販売する店。
段ボールには“SNSに載っていた青いモモ”。値段は1キロ900円。ベトナムではこうした青いモモを食べる習慣があるといいます。

ベトナム食材店 店員
「日本人はさ、この固い(モモ)食べないでしょ」

しかし、日本ではこういう青いモモは市場でほとんど流通することはないといいます。


Nスタ
「これはベトナムのモモなんですか?」

ベトナム食材店 店員
「福島」

Nスタ
「福島のモモ!?」