■格安で青いモモを卸すX社 収穫前の福島産と酷似?

全国2位のモモの産地、福島県。実はつい2週間ほど前、収穫前のモモが盗まれていました。

取材班は売られていた青いモモを入手。福島県の農家に見てもらうと…

福島県のモモ農家
「なんとなく『ゆうぞら』という品種に似てるかな。福島でできた品種」


ほとんどの桃は切ると種の周りに、ギザギザの果肉がつきます。ところが、福島の品種「ゆうぞら」の特徴は種の周りに果肉がつかないこと。
   
ベトナム食材店で売られていたこの青いモモ。
もし「福島のゆうぞら」なら、種にギザギザの果肉がつかないはず。果たして…


切ってみると種にほとんど果肉はついていません。比べると「福島産のゆうぞら」の特徴に酷似しているのがわかります

念のため複数の農園に青いモモを確認してもらうと「ほぼ間違いなく“ゆうぞら”である」と回答。でも、日本で青い状態のモモは流通しないはずと、首をかしげます…

福島県のモモ農家
「日本でこういうモモを取るって言うのはあり得ないと思うので」

ではこのモモ、誰がどうやって持ってきたのか…
改めてベトナム食材店に話を聞いてみると…


ベトナム食材店 店員
「私は店を開いたばかりで先輩から紹介されました」

紹介された先は“格安で青いモモを卸す”という“X社”。産地などは特に気にしていなかったといいます。

ベトナム食材店 店員
「とても心配なので、今後届いた商品は返品すると思います」


モモの配達伝票に書かれていた住所をもとに東北地方にあるというX社を訪ねてみると…

Nスタ
「あ、ここですねこちらのお宅です。一軒家ですね」

ここがX社なのか、住人に話しを聞くと… 

Nスタ
「X社じゃないってことですね?」

住人
「知らない」

X社など聞いたこともないと関与を否定。住所を勝手に使われた可能性もあるといいます。

今回の取材で垣間見えた「謎の青いモモ」の不可解な流通経路。

山梨県警は9月1日、不法残留の疑いで逮捕したベトナム人2人を窃盗の疑いで再逮捕。一連の事件の全容解明を急いでいます。