2021年9月、北海道苫小牧市の交差点で、白バイと衝突し、警察官を死亡させた罪に問われた大型トラックの運転手の裁判で、8月29日に執行猶予付きの有罪判決を受けた被告は、8月30日付で判決を不服として控訴しました。
起訴状などによりますと、砂川市の無職、谷口訓(さとし)被告56歳は、2021年9月13日、苫小牧市柏原の道道の信号機のない丁字路交差点で、運転していた大型トラックで右折しようとした際、反対車線を直進してきた白バイと衝突…白バイに乗っていた男性警察官(当時32歳)を死亡させた過失運転致死の罪に問われていました。
8月29日の判決で札幌地裁は、「右折の開始時点で白バイが来ることを予見することは可能だった」として被告の過失を認定し、「白バイが高速度だったことが重大な結果に及んだことも否定できないが、被告の刑事責任は軽くない」などとして、禁錮1年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡していました。
判決を受けて、谷口被告の弁護人は8月30日付で判決を不服として札幌高裁に控訴しました。
弁護人によりますと控訴審では、谷口被告の過失を認定した地裁判決について、事実誤認や法令適用の誤りがあると主張する方針だということです。
【これまでの裁判の経緯】

この事故をめぐり、検察は、おととし3月、谷口被告を不起訴処分としましたが、検察審査会への申し立てを受けて再捜査した結果、去年5月8日付けで在宅起訴していました。

これまでの公判で、被告側は「結果は重大だが、時速120キロという高速バイクの接近を予見し、回避することは不可能。サイレンは鳴ってないし、赤色灯もドラレコでははっきりと確認できない。右折の仕方には問題あったが、交通法規違反にとどまり、道交法違反の刑事罰は無関係。被告に過失はない」として、無罪を主張。