見積書は5年前の“大規模リニューアル計画”のものだった
(須藤啓二さん)
「最終的に出てきたのがこの資料なんですね。これが(改修費の)唯一の根拠だということで」
改修費の内訳について町側が住民に示した資料がある。複数のプール槽で補修が必要だとされ費用の大部分を占めている。
しかし情報公開請求で入手した改修費の根拠である見積り書には目を疑う説明があった。「解体撤去」や「プール工事」など、劣化した箇所の補修ではなく、実際はプールの設備自体を一から作り直す計画になっていたのだ。
(須藤啓二さん)
「プールを解体して新しくするという記述が一切入っていないんですね。これは住民に『入れ替えだから(改修費が)高いというのではなく補修をすると高いんだよ』とすり替えられているような気がします」
取材を進めると、この見積り書は廃止が決まる5年前に「大規模リニューアル」の計画が持ち上がった際に作ったものと判明。町側は今回の改修費の作成にあたっては新たな調査を一度もしていないという。
大規模な改修が本当に必要か。公営のプールを数多く製造してきたA社に尋ねると次のよう答えた。
(大手プール製造会社A社の担当者)
「(平群町のプールの材質は)塗り替えの必要がないので維持管理費が安いというところと、腐らない腐食しないので長く使っていただけるという特徴があるプールですね。(Qプール設備を一から作り直す必要はない?)それはないですね。よっぽどなことだと思うので」
A社の担当者は「プール槽を入れ替える必要はなく改修費も十分の一ほどで済む」と証言した。
この問題は議会でも取り上げられていた。
(平群町議会 山口昌亮議員 今年3月)
「入れ替えと補修が一緒なはずないでしょう。『一部入れ替え』ってこれ全部やんかプール槽。そんな重大なことを説明していないのよ」
(平群町教育委員会 教育長)
「修繕の見積もりにつきましては非常に概算過ぎるところがございます。安全安心を担保した上でウォーターパークの運営を続けていくということは財政的に非常に困難である」