気象庁は、さきほど、今年の夏は去年と並び「観測史上最も暑い夏」だったと発表しました。日本の暑さは、将来どうなってしまうのでしょうか。
「日差しが強くて、後頭部に汗たくさんかいています。台風一過という感じですよね」
台風が過ぎたきょうは、全国17地点で猛暑日となりました。
今年は福岡県の太宰府で40日連続で猛暑日に。7月には栃木県の佐野で41.0℃を観測しました。
この厳しい暑さについて、気象庁からさきほど発表が。
今年の夏は、去年に並び観測史上最も暑い夏だったことが明らかになったのです。今年6月から8月までの平均気温は、平年と比較して+1.76℃でした。日本は将来、どこまで暑くなってしまうのでしょうか。
IPCC=気候変動に関する政府間パネルの研究にも参加する専門家に“最悪のシナリオ”を聞いてみると…
東京大学 小坂優 准教授
「(今世紀末の)年平均気温は20世紀末と比べて、+4.5℃ということが予想されています」
これまでの研究で、地球温暖化に拍車がかかれば、今世紀末には4.5℃の上昇が予測されているといいます。その4℃を超える上昇とは、どれほどなのか。
東京大学 小坂優 准教授
「(Q.4℃上がったら)ものすごく暑いですね。たとえば7月の気温があれだけ暑くて、(月の)平均気温は(平年より)2℃高いぐらい。4℃上がるというのはものすごいことですね」
仮に、日本の気温がおよそ4.5℃上昇した場合、20世紀末よりも猛暑日はおよそ19日も増えるといいます。
今年、東京都心で猛暑日を観測したのは19日。将来、この日数がさらに増加することが見込まれます。
さらに、危険な暑さは“ある健康被害”を引き起こし、熱中症の10倍もの死者を出していると指摘する専門家もいます。
東京大学 井原智彦 准教授
「熱中症の死者は30年を平均して300人ぐらい。“熱疲労”で亡くなっている方は3000人ぐらい」
この“熱疲労”とはどんな症状なのか。
東京大学 井原智彦 准教授
「暑くなって体温が上がる以前に他の臓器に影響が出て、亡くなってしまうことがあります。例えば、呼吸器とか循環器です」
急激な体温上昇が原因となる熱中症とは異なり、暑さがじわじわと臓器にダメージを与え、心不全などの疾患が引き起こされるというのです。
東京大学 井原智彦 准教授
「どういう方が(暑さの)被害に遭っているかをちゃんと突き詰めて、彼らが導入可能な対策を社会全体で後押しすべき」
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