【編集後記】 TUF報道部 伊藤大貴記者

 今回は猪苗代湖で大量発生するヒシを、観光資源に変えようと活動する長友海夢さんを取材しました。「地域が抱える深刻な課題も、とらえ方次第では何とでもなる」こう話し、腐敗すると、悪臭や汚染の原因となるヒシをお茶にするなど、画期的な商品を生み出してきました。今後はヒシを使ったソフトクリームや、水草を活用した商品作りにも挑戦したいと話します。

 そんな長友さんは地域おこし協力隊に任命されて3年目。地域おこし協力隊として活動できるのは最大で3年で、残り1年を切っています。

「今後も活動できるように会社を設立した。地域おこし協力隊の人たちは、地域に根付いて活動しても任期は3年間。その3年のうちに次の就職先を探すことになるが、なかなか難しい。あとは定住した先で起業するしかない。」

簡単には解決できない地域課題にも、いつもポジティブに挑む長友さんが、取材の合間に話してくれたことです。年々増えている地域おこし協力隊の狙いは「過疎地域等に異動して、地域協力活動を行いながら、その地域に定住・移住を図る」。起業希望者向けの補助制度もあり、任期満了を迎えた隊員のおよそ65%が定住しているといいます。しかし、長友さんが話すように「地域の課題に真摯に向き合う」という使命感を持った人たちが、その活動期間中に、就職活動や経済面、自らのライフスタイルといったさまざまな課題を抱えながら、次のステージをまた一から模索せざるを得ない難しい現実も少なからずあります。

地域課題とともに、地域おこし協力隊のあり方にも改めて向き合う必要があるのかもしれません。