■熱帯低気圧化
今回の台風10号の場合は上空の寒気は北に離れているため、温帯低気圧に変わることはなく、熱帯低気圧になる見込みである。
熱帯低気圧化とは台風が構造を保ったまま衰弱し、中心付近の最大風速が台風の基準である17m/s未満まで下がることをいう。ただし、台風(熱帯低気圧)の勢力は周辺の降水量など他の要素には依らず、風速のみによって定義されることは覚えておきたい。
熱帯低気圧に変わった後も強い雨が続くことはあり、台風10号もその可能性は高いといえる。
熱帯低気圧化 「気象衛星」と「天気図」で見ると…
<2015年台風13号の事例>


※発達した台風の構造 天気図では台風中心の気圧が低く、衛星画像では台風の眼が明瞭(等圧線を一部省略していることに注意)

※台湾を通過して衰弱 台風中心付近の気圧が上がり、台風の眼が不明瞭になって雲が散り始める


※熱帯低気圧化直前 台風中心の気圧が上がり、発達した雨雲が少なくなる

※中心付近の最大風速が台風の基準(17m/s)を下回り熱帯低気圧化
熱帯低気圧に変わるのは「夏」の台風が多い。