「内緒やからな」口止めしていた男

「不同意性交等罪」は2023年に新設された罪だ。強制性交等罪だったものを変更し、被害者が「同意しない意思を形成、表明、全う」することが難しい状態で性交等を行うこと、つまり“同意のない性的行為は犯罪”と明確化した。「相手が16歳未満」、「相手が13歳以上16歳未満で、行為者が5歳以上年長である」場合は、たとえ同意があっても罪が成立する。法定刑は5年以上の有期拘禁刑。

16歳未満だと性行為の意味や結果を理解できず同意する能力がないと考えられるため、そして年齢差が大きくなれば「対等な関係はあり得ない」とする心理学的・精神医学的知見から設けられた要件だ。今回の件でも、被告の男は大人の男性という社会的に優位な立場を踏まえながら、Aに対し犯行を口止めする圧力をかけていた。以下は母親が犯行に気づくきっかけとなったLINEのやりとり。

「おりこうにしてるか」
「内緒やからな」
「親にばれないように」

被告とAの年齢差は17歳。Aは突然大人の男性にされた行為を誰にも相談できなかったと話している。

「母親が友達を家に連れてきた。服を脱がされ触られた。大人の男性に言われたことは断りにくかった。相談しようとしても恥ずかしくて誰にも相談できなかった。でも母親が気づいてくれた」(冒頭陳述より)