発表された「破産手続開始の申立ておよび決定に関するお知らせ」
ほぼ全文
株式会社中三 (以下「当社」といいます。)は、明治29年、青森県五所川原市で屋号 を「中三」とする呉服店として創業し、昭和29年以降、現在の「株式会社中三」の商号 の下、百貨店業を営んでまいりました。当社は、東北を中心に郊外型百貨店事業を展開し、平成10年8月期には約415億円の売上を計上するに至りましたが、平成22年頃には、郊外型ショッピングセンターとの競争激化により、規模の縮小、店舗集約等を余儀なくされ、売上は185億円ほどまで減少することとなり、かかる状況の中、平成23年3月11日に発生した東日本大震災により、盛岡店が休業に追い込まれるなど重大な影響を受け、同月30 日には民事再生手統開始の申し立てを行うに至りました。
民事再生手統においては、フェニックスキャピタル(投資ファンド)をスポンサーとする再生計画案が可決、認可され、平成27年2月26日には再生手続終結決定を受け、同スポンサーの下で事業の再建を図ることとなりました。
平成28年10月、フェニックスキャピタルから他に株式譲渡等がなされ、その後も青森店、弘前店での百貨店事業のみに事業を絞り、再建を目指して事業を継統してまいりました。
しかしながら、郊外型ショッピングセンターやインターネット販売との競合で売上が延び悩んでいたほか、令和2年からは新型コロナウイルスの感染拡大による消費の減退でさらなる打撃を受け、直近3期においては、末尾記載の業況擬要のとおり、毎期多額の営業損失、経常損失を計上する状況となっておりました。
このような状況の中、当社は、親会社の運転資金支援を受けるなどして事業を続けてきたものの、業況の悪化を止めることができず、これ以上の事業継続は困難であると判断したことから、当社は、令和6年8月29日付けで事業を停止するとともに、同日青森地方裁判所弘前支部に破産手続の開始を申し立て、破産手続開始決定(青森地方我判所弘前支部令和6年(フ)第109号)を受けました。事業停止時における当社従業員数は85名、負債総額は現時点で約9億円(うち滞納公租公課約1.7億円。債権者総数278名)であり、債務超過額は約8.4億円です。
以上、お知らせいたしますとともに、このような事態に至り、債権者、取引先その他関係先の皆様には多大なるご心配をおかけすることとなりましたことを心よりお詫び申し上げます。
なお、当社は、窮境に陥ったのち、百貨店事業の承継先を探索したものの見つからず、現在は中三弘前店跡地に係る再開発事棄者を探索中です。
以上